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ギャンパラ製品化記念インタビュー「ぼくらは自由になりたかった。」

あるボードゲームがあります

正体隠匿系と呼ばれるそのゲームは
隠密に動いて仲間を探し
時に大胆に敵を攻撃するのです

目的は、特定の手札を揃えること

そのために仲間がいれば協力をしてもいいし
孤独に勝利を目指したって構わない

そのゲームの名前は
「ギャングスターパラダイス」

2014年より同人のゲームとして発売を開始

ゲームマーケット(ボードゲームの同人即売会)では
幾度となくSOULD OUTとなり
累計販売数はおよそ5000セットに及びます

公式ファンミーティングや全国大会の開催など
多くの支持を集めた「ギャンパラ」に
今まさに、製品化の予感

製品化に向けたクラウドファンディングでは
3時間で目標金額の50万円を達成
現在はストレッチゴールを目指しています

その内側には「自由」を追い求める姿がありました

はじめて「ギャングスターパラダイス」をこのnoteで知って下さった方へ。ようこそ、ギャングスターパラダイスへ。同人の界隈で、すくすくと育ってきたゲームなので、いわゆる「界隈用語」みたいなものが出てきます。とっつきにくいかもしれません、ごめんなさい。できる限りその都度、用語の説明をしていきたいと思います。どうぞお付合いください。


――まずは、クラウドファンディング3時間での100%達成、おめでとうございます!
カイシン:
ありがとうございます。なんとか。5日で100万まで行ったのかな。特にオリカ枠がね、一瞬にして(笑)

オリカ/オリジナルカード
ギャングスターパラダイス公式であるカイシンゲームズのサービス、またそのサービスによって制作されたカードのこと。拡張カードのように、通常のゲームセットの中に混ぜて使える。「こんなカードがあったらおもしろいのにな」を叶えてくれる、まさに世界で1つのオリジナルカード。主にカイシンゲームズ BOOTHで購入可能。また、イラストレーター描き下ろしのイラストが付いたものは「イラストオリカ」と呼ばれる。

オリジナルカードは完全受注生産のため、一度に受付できる数が限られている。この受注可能数のことを「枠」呼ぶ。

カイシン:今回用意したカオスパックも合計70件が売り切れました。最初は50件だったものに、20件追加したんですが……。それも一瞬でなくなってしまいました。
――ええ……。
カイシン:
ふふふ(笑) みんな、ああいうのが一番おもしろいんだろうなあ。

カオスパック
今回のクラウドファンディングのリターン品のひとつである【WHAT THE PACK?】のこと。以下クラウドファンディングページより引用。
”全員参加型のスーパーカオスパックです。
こちらを購入するとオリカを1件制作できます(要件あり)
参加者の作ったオリカが強制的に参加者に配られ、
パック化してゲームマーケットなどで500円で販売されます。”

――どのあたりに惹かれて、既存のファンの方って購入されているんでしょう?
カイシン:
やっぱり配りたいんでしょうね。自己アピールがしたい。それが一番叶う形だったのが、カオスパックだったという。

――オリジナルカードに人気が出た、火が付いたきっかけってなんですか?
カイシン:
2018年の年明けにやったクラウドファンディングが大きかったんですよね。225万円くらい集まったんですけど、「ボスコース」っていうリターン品があって。その中に「あなたの名刺を作りますよ」なんて内容が含まれていたんです。で、それがウケたという。
その中で、一部「名刺じゃなくてオリジナルカードを作りたい」という方が居られて。その要望に応えていたら、オリカを配るというムーブメントが繁盛しました。試しに通販で、オリカの受注生産をしてみたところ、爆売れです。必ず在庫が尽きるという状況に……。

――名刺やオリカを交換し合うコミュニティというのは、ファンの方きっかけで?
カイシン:
ギャンパラにおいては、ファン同士の交流が盛んに行われているというのが、一番の特徴だと思ってます。普通のボードゲームって、身内でやるのが一番面白い世界じゃないですか。身内でやるより知らない人に出会いたい、そういう楽しみが結構あるなあと。完全に身内でやるよりも、いろんなプレイングが見てみたいっていう欲求がプレイヤーの中にあって。このゲームの一番の魅力は、自由度が高いところにあると思っているんですよ。そもそものコンセプトが自由なんですけれども、プレイヤーがいかに自由に振る舞えるか?っていうのはずっとあって。ギャングだから、みんなが。やりたい放題やるよと。

――やりたい放題、自由に広げていくと。
カイシン:ボードゲームをする人の中でも、ゲームを広めようとする人がいるんですね。で、その人たちにギャンパラがやたらウケる。彼らは何かを流行らせたいっていう想いがあるのと、自己主張がしたいっていうのも入ってくるんです。自由度の高いゲーム、自由度の高いオリジナルカード、自由度の高い名刺、そして交流の世界。非常に相性がいいんです。
ゲームを広げようとする人たちは、すぐあっちこっちに行っちゃう。あれやりたい、これやりたい、あれもこれも広めよう。ずっと同じジャンルに留まり続けるパターンって少ないんですけれど、ギャンパラに関してはその人たちとの相性が非常にいいんだと思います。ギャンパラの中でいくらでも自己主張できちゃいますし、それを楽しんでくれる。で、このゲームをおもしろいと思ってくれた人が広めてくれて、それを繰り返した結果がギャンパラの今だと思ってて。

――魅力をひとことで言うならば、やっぱり「自由」なんですね。
カイシン:他のゲームも元々たくさんプレイしてきたんですけど、ルールに縛られるという意識の方が強い。ぼくは人狼が好きだったんですけれど、人狼って自由度がないじゃないですか。本来できることは多いはずなのに、プレイヤーやルールの結果、自由に振る舞えない現状があると思っていて。その現状を、じゃあどうやったら打破できるかっていうのが、自分の中での課題のひとつだったんです。それをギャングスターパラダイスというゲームの中で、表現してみた。自分の中のゲーム制作において、自由の比率が一番高い。

――その自由度が広がった結果が、オリジナルカードだとか、名刺だとか。
カイシン:
ですね。クリエイター側からしてみれば、オリジナルカードとかって、鼻で笑ってくる人が多いんです。オリジナルカードが作られて、それが使われている現状って、トレーディングカードゲームの世界だと鼻で笑われる。「こんなもの売れるわけないだろ」とか、「要るわけないだろ」とか。そういう姿勢が多い。
でもぼくに関しては、そういうのがバンバン採用されるゲームがあったらおもしろいのになあって思ってました。
ぼくにとってルールってそんなに重要じゃないんですよ。だって自由の方が大切だから。プレイヤーが如何に楽しめるかの方が、はるかに我々が作っているルールへのこだわりよりも価値がある。

――二次創作とかも活発ですよね。そこも自由から?
カイシン:
それを否定したら自由の意味がないよね、っていう(笑)
公式がそもそもイラストオリカみたいなものを作っていますからね。もう自由にやってほしい。普通はやらないことを、どんどんやっていますから。
最近はドット絵缶バッチかなあ。あそこまで作られたら。

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てぃー(@Tea_cos)さん作「KILLER -殺し屋-」のドット絵缶バッチ。てぃーさんのBOOTHで購入可能。

――でも、初心者の人って、結構ギャンパラの敷居は高いと思うんです。
カイシン:
高いと思ってたんですけど、意外とギャンパラからボドゲに入る人もいるんですよ。ギャンパラがはじめてのボードゲームですとか、学校で毎日遊んでいましたとか。それこそ大学とか、高校の部活動内とか。そういうところで徹夜してやった思い出がある人が結構いるみたいで。「一番最初にやったゲームがこれでした!」なんて。おそらく誰かがゲームマーケットで買ってくれて、友達経由で遊んでくれているという。データだけ見たらごちゃっとしてるんですよ、ギャンパラは。プレイングを見て、はじめて「あっ、このくらいなんだ」と思ってもらえますね。あとはボードゲームカフェとかにも置いてもらっているので、一度遊んで貰えればと。

――クラウドファンディングが今月末まで。あと少し。全国流通に向けた「製品版」のお話をお願いします。
カイシン:
以前、2014年に出した新装版よりも、ちょっと大きいサイズになって、ポストカードサイズのサマリーなんかが入ります。説明がしやすくなるように。
クラウドファンディングは今月中までですが、まだまだお騒がせしていきたいと思っております。色々仕込んでいますので。

――ファンのひとりとして今からとてもわくわくしています。どうもありがとうございました!
カイシン:はい! ありがとうございました。


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