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隣の芝生は青く観える。

 「学生時代の思い出を語ってください。」
そう言われたら私は何を答えるだろう。
 「勉強してました。体育祭でサッカーをしました。」
そんなことしか話せない。しかし、「そんなことでもそれが答えなんだ」そう思った。


 くれなずめ、鑑賞し、私もくれなずんだ人の一員に。もうこの仲間たちになりたい。7人目になりたい。そう思った人はどのくらいいるのだろうか。いい大人が下ネタで盛り上がれる。しかしそこにはどことなく学生のようなまるで社会人になった大人が話しているようには感じられず、そこには吉尾が抱える秘密とつながっているということは最後に知る。あまり映画での下ネタ得意な方ではないが、ここで語られているものはクスっとしてしまうようなそんな感じだった。(子ども連れの人が見たら賛否両論はあるだろう。)

 なんだかこの映画を見終わると、誰かに「また明日ね」といいたくなる。言いたくなったからTwitterに投稿した。でもそうじゃない。雑魚寝しながらまた明日、大切な人にまた明日。そう伝えたくなる。しかし、現代というものはいとも簡単に様々な人とつながることができ、新しい環境に出ればその人たちと仲良くなれる、そんな適応性が発達していると思う。そのため昔の友人と会う機会なんて友人の結婚式くらいじゃないか。あ、この映画もそうだな。結婚式での披露宴を機にまた再会している。そこには過去に戻れるはずもないが、まるで過去を書き換えるかのように、学生時代に戻ったかのように過ごす6人の姿があった。結婚式というものは旧友を過去に戻してくれるタイムマシーンだ。成人式もそうかもしれない。案外近くにタイムマシーンがあったとは。

 とてもばかげているかもしれないが、この映画はそんなことも考えていい、何があってもへらへらしていていい、そう背中を押してくれた。いまは生きにくい現代になっているが、自分の好きなように生きればいいんだ。過去なんて自由に書き換えられるんだから。「今」を楽しく、一緒にいたい人といればいいじゃないか。そんなメッセージ性を私は受け取った。


 ぜひみてほしい。そして帰り道は、ウルフルズを聴きながら、くれなずんで帰ってね。そしておかわりくれなずめろう。

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