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夢を生きるーマッサージセラピストをしている理由ー

体が健康でなければ、人は心も病んでしまいます。自分自身でも気づけていない体の不調にセラピストが的確にアプローチする事によって、自己免疫力を高め、疲労を緩和していくのが、リラクゼーションマッサージの目指しているところです。

生まれたばかりの赤ちゃんは動物も人間も母親に舐めてもらわなければ、生きて行く事ができません。ボディタッチには人を癒す力があります。私自身、決して順風満帆な妊娠生活を送っていた訳ではありませんでした。

妊娠当時、子父の婚姻の同意を得られずシングルマザーになる覚悟はしていたものの、赤ちゃんが生まれて1ヶ月あまりで子父が天国に旅立ち、真の意味でシングルマザーになりました。

妊娠当時は事務職からマッサージ師に転職したばかりで、妊娠を望んだタイミングではありませんでした。マッサージサロンでの仕事はとてもハードでシフト制です。時には残業で夜中の12時まで立ち仕事が続くこともありました。

この妊娠は退職前に服用していた抗不安薬を断薬し、漢方薬に切り替えほぼ断薬することに成功した矢先のことでした。勇気を出して妊娠検査薬を使うと、やはり結果は陽性。妊娠していました。断薬に成功したとは言え、飲酒もしていた事があり自分などが健康な赤ちゃんを授かれるか不安でいっぱいでした。

子宮のエコー写真を見てこれまでない感動を覚えたこともあり、世界中を敵に回しても赤ちゃんを産みたいと私は決断しました。この子には健康な体しか授けてあげられないと思い、自分でも妊娠中の栄養学について本を買って勉強したり、ウォーキングを心がけたり、自己管理を心がけました。その甲斐あってか高齢出産にも関わらず自然分娩で出産できました。

母子家庭で一人で子どもを育てる事は並大抵の事ではありません。経済的にも精神的にもストレスが多い中で、マッサージの仕事をしていた時の充実感が忘れられず、セラピスト職に復帰しました。お客様の体に触らせていただく事で、他でもない自分自身が癒やされていると感じる事があります。

私自身、産後はっきりとした理由がある訳ではないのに頭痛などで体調が優れない事が多く、 1時間おきの授乳での寝不足や、子どもが怪我をしないようになどと気持ちを24時間張り詰めていたため、産後ケア施設でゆっくり療養できたらと考えたのですが、地域にそのような施設がなく断念した経験があります。

産後3年ほど経過して、かなり独身の頃の健康な体に戻りつつあると感じましたが、それでも、ワンオペ育児で、遠方に住む実家の両親も頼れず、体調を崩す事はよくありました。さらに子どもの発達特性のために育児の困難さを抱えていましたが、子どもが小学校一年生の時に自閉症スペクトラムの診断を受けて、療育支援を受けさせていただいています。育児支援をしてくださっている保健師さんの勧めもあり、この春にペアレントトレーニングに参加したのですが、発達障害を持つお子様のママさん達にお会いして自分も救われた思いがしました。

ホテルのスパにも、ご家族にお子様を預けてマッサージを受けにいらっしゃるお客様がいますが、施術後に顔色も良くなり元気に帰って行かれる姿を見ると、この仕事をしていて良かったと心から感じます。一期一会の出会いの中で、お客様にご満足いただけた時の充実感と魂を揺さぶる感動がそこにはあります。

自分のケアが蔑ろになりがちな誰かを癒して自分の力で楽にしてあげたい。マッサージで人を幸せにしたい。誰かのクオリティオブライフを高めたい。それが私の目標であり夢です。マッサージの訓練は過酷ではありますが、より技術を高めてお客様はもとより社会に貢献していきたいです。