見出し画像

「紛争地で「働く」私の生き方」の衝撃

本書を一気に読破し、気持ちが落ち着いた時に思ったことは、こんなに信頼できる人、そして言葉はないということだ。

日本にいたら紛争地域と関わらないこともできる。むしろ関わらない方がマジョリティであり、それゆえ、平和に、安全にに生きていくことがかなりの確率で保障されていると言っていいだろう。
普通の人であれば、この紛争地域を自分ごと化できる方が難しいかもしれない。

著者を突き動かし続けている根本は、時折文章から滲み出る、著者の社会に対する「強い怒り」や「憤り」ではないだろうか。
しかし、それと同時に、それと同居する著者の「深い優しさ」が、アクセプトインターナショナルの対話を重視した活動を、極めて稀有な、そして、非常に価値あるものにしている。
もはや、この「怒り」と「優しさ」は、私にとってはもはや羨ましくさえある。

彼らの活動は、1日で何千、何万人にインパクトを与えられる類のものではない。
1人1人の目の前の若者に寄り添い、対話を通じて、彼らの新しい人生を全力でフォローし、彼らを変えていく。本当に地道な活動だ。
それゆえ、もどかしいこともたくさんあるだろう。
また、「絶望」と一言で表現するのが憚られるほどの痛ましく、辛く、全て投げ捨てたくなるような経験を著者は何度も、何度も乗り越え、未来を見つめて走り続けている。
その諦めずに挑戦する姿も、多くの人の心を打ち、そして、周りの人を少しずつ変えている。こんなに凄まじいことがあるだろうか。

著者の存在自体が「若者」の希望である。

読み終えたばかりの私はまだ、感想を自分の言葉でこうして勢いのままに書くことしかできず、それを通して表せるのは、彼らがどうかこれからも継続して活動ができるよう応援したいという強い気持ちだけだ。

この記事が参加している募集

#読書感想文

191,340件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?