高望みが能力を引き上げる!?
チェロを始めて約4年。これまで音楽経験の無い私はずっと苦しんでいる。弾けども弾けども上達が遅く、自分の能力の低さに辟易する日々だ。
もともととても不器用な質で、習得するには時間がかかる。でも決してサボっているわけでは無い。真面目に勉強するけどテストの点数で発揮できないタイプなのだ。
そんな私だが、能力に見合わずバッハの無伴奏チェロ組曲、1番のプレリュードはどうしても弾きたい。これを弾く為にチェロを始めたようなものだ。かれこれ1年程練習している。
まず、前半をクリアするのに3ヶ月程?(ちなみに前半の課題はまだまだ)そして移弦の数々で音程とリズムはガタガタ。最後の見せ場も肝心の音程がずれてしまう。とにかく課題がもりもり。先生が項垂れる姿が横目に入り更に焦る。(実際には項垂れていないが、項垂れているように見えてしまう)
今月末の発表会までに間に合うだろうか。ここ数ヶ月レッスンではどんどん元気が無くなっていた。
今日はレッスン日。自分ではまだまだ満足出来る演奏では無かったが、先生:「正直、minmさんのこれまでの伸び具合と比較すると、バッハで実力がグンと引き上げられてますね」と。音階でさえ、エチュードでさえ満足に弾けないのに、私にとっては難易度の高いバッハへの挑戦。練習は死ぬほど(言い過ぎ)している。ずっとずっと、プレリュードばかり弾いている。
練習を繰り返す中で、耳音痴だった私もどこで音がズレやすいのか、リズムが揺らいでいるのか分かるようになった。そして具体的解決策や技法は先生が的確にアドバイスを与えてくれる。
この、バッハの同じリズム、音階を繰り返す奏法は音楽を専門にしている人にとっても難しいらしい。しかしそれは基礎として身に付ければ自身の技術向上にも繋がるはず。
同じ曲ばかり1年も練習していて、無駄に過ごしたわけでは無い。これをマスターすれば他の曲の習得も早いはず!曲で揺らぎやすい点は、この曲にだけ当てはめるのでは無く、自身の傾向を知り応用したい。
もちろんいきなり能力に見合わない事に挑戦することは危険も伴うかも知れない。基礎がいつまでも身に付かないまま理想ばかり追いかけ、理想通りにならない自分に焦りとイライラが募ってしまい、本来の「楽しむこと」を忘れてしまう可能性があるからだ。
だが、「私の実力はこの程度」と決めず、目標設定を少し高めにすると更に上を目指したいと欲が出てくる。
就職活動時、ある人から言われた。「自分の限界を決めるのは自分」理想を追い求める限り可能性も広がるし、思いもよらない成果を得る事も出来る。
出来ない自分にがっかりするのでは無く、達成した時の喜びを楽しみに更に練習に励みたい。
2020.9.6
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