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「18歳の時になりたいと考えていた職業に就いた人の割合は全体の約2%にすぎない」という話

18歳時点でなりたいと考えていた職業に実際に就いて働き続けている人はわずか約2%にすぎない

ジョン・D・クランボルツ教授

この文章を読んだ時にはっとした。

人は小さい頃に(例え漠然とでも)将来の夢を持ち育つ。

私も18歳の時には将来の夢があった。

私は小さい頃から「芸術家や美術館に携わる仕事がしたい」という夢があって、学芸員になろうと考えていた。

芸術系の学芸員になるために、わざわざ専門分野が学べる専攻がある大学に入り直したりもした。

けど上京後に学芸員の門戸の狭さや、採用されても殆どが非正規採用であることを知り、地方出身の私は金銭的なことを考え学芸員の資格だけ取ることにして、学芸員になることは諦めた。

けどやっぱりやりたかったことに近い仕事はしたいからと、大学卒業後に中小の美術系の会社に就職した。


就職後、好きなものを仕事にすることの大変さを知った。

入社3日目で今の自分の状況に悲しくなって、ここには長くはいれないかもなと思って帰りに1人で涙を流した。

入社3ヶ月目にはすでに会社を辞めたいと家族に話をしていた。せめて三年は我慢したらと言われたけど、自分には難しいだろうなと思った。

入社半年の時に上司との3回目の面談で、3回目の退職をしたいという話を断られた時に、これは今の会社を辞めるためには新しい仕事を見つけてくるしか無いなと思った。

その頃の私は残業続きで土日も休めずストレスもたまり、一時的に片耳が聞こえなくなった。

けどなんとか数ヶ月かけて密かに転職活動をして新しい仕事を見つけ、退職届を提出し、入社一年をいかずに新卒で入社した会社を辞めた。

その時のトラウマがあったから、それ以降は美術に携わる仕事はやめようと思った。
私にとって、好きなものは仕事にするより趣味で楽しむのが正解だったみたいだ。

夢を諦めて成長するということ

実際に昔の夢だった「美術に携わる仕事」は少し形を変えたけど達成することはできた。けどそれを続けることは出来なかったし、その後大幅にキャリアチェンジした。

だから、冒頭の「18歳の時になりたいと考えていた職業に就いた人の割合は全体の約2%にすぎない」の全体の2%には私は含まれないだろう。

冒頭に掲載したジョン・D・クランボルツ教授は、以下の調査結果も報告している。

社会的成功を収めたビジネスパーソンの8割が「自分のキャリアは偶然の出来事に起因するところが大きい」と回答した

ジョン・D・クランボルツ教授

私も最初の会社を退職した後に偶然が重なり、今は大手の外資企業でエンジニアとして働き始めて早数年が経った。
元々思い描いていた夢とは全く違う仕事をしている。過去の自分には想像もつかなかったことだ。

周りをみてもそうだ。
エンジニアをしている同僚は、元々サッカー選手になりたかったようだ。
声優になりたかった大学時代のサークルの先輩は、今はとある企業の人事をしている。
過去に子供が苦手だった友人は、なんと保育士になった。

人生は偶然の積み重ねだし、歳をとることで考えや環境が変わっていく。それは至って自然なことなんだと、この言葉を見て思った。
みんなどこかで夢を諦めたり、夢を徐々に変えながら今がある。

やっぱりそれは当たり前のことだからこそ、失敗したって問題はない。

それよりも日々自分や周りが変化することを理解しながら、変わりゆく世の中で時たま現れるチャンスをどう掴めるかこそが、今後の自分のためになるのだろう。

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