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臨時企画!こんな時だからこそ英語の勉強04:食物成分表示の日米比較

アメリカの食べ物の成分表示って日本と違って直感的にわかりやすいんです。アメリカのスーパーでは輸入食品には表のステッカーが貼ってあり、日米が分かりやすく比べられるので、写真を撮ってみました。

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左のは日本のオリジナル表示で成分の内容量がそのまま表示してあります。例えば一箱あたり「炭水化物41.4g」とあるけれど、これが多いのか少ないのか、素人には全くわかりませんね。

一方アメリカの表には、まず初めにこのお菓子の最適なサービングの量(一回量)が1/2パッケージと書いてあります。そしてその最適量に含まれる各成分が、2000カロリーを必要とするひとりの成人に対してどのくらいのパーセンテージなのかを表示しています。「Total Carbohydrate 7%」とあるので、半箱食べると炭水化物が7%という意味ですね。一箱食べると14%。

これの何がいいかというと、例えば日本のは1箱分で糖質36.9gと書いてありますが、アメリカのは半箱で37%。つまり一箱食べたらその倍で74%になってしまいます。これではひとつのおやつで砂糖を摂りすぎだと誰でもすぐにわかります。じゃあ半分にしておくかと、そういう気持ちにさせてくれるんです。

他にも、成分表を見る時に大事なところは、Total Fatです。大抵、飽和脂肪酸(Saturated Fat)とトランス脂肪酸(Trans Fat)が書かれています。心臓病が多いアメリカでは、トランス脂肪酸がFDA(The Food and Drug Administration)によって2015年に禁止されました。それによって、アメリカの食品メーカーは既存の商品においてトランス脂肪酸(Trans Fat)を0%(0g)に開発し直すことを余儀なくされました。この法律後、7.8%心臓病の患者が少なくなったという報告があります。(Harvard T.H. Chan School of Public Healthより)  夫は、好きだったポテトチップスの味が悪くなったと複雑な表情をしていましたが。笑

この日本側の表示には「脂質」とまとめてありますが、つまりそれはTotal Fatのことなので、トランス脂肪酸や飽和脂肪酸などの細かい表示は出ていません。農林水産省の2021年の記事によると、「日本では、食品中のトランス脂肪酸について、表示の義務や濃度に関する基準値はありません。また、トランス脂肪酸だけではなく、不飽和脂肪酸や飽和脂肪酸、コレステロールなどの他の脂質についても表示の義務や基準値はありません。」とあります。

そして日本ではトランス脂肪酸はマーガリンなどに多く入っていますが、禁止されてはいません。ただ、禁止されていなくても、一般的な日本人はアメリカ人のように朝からパンケーキやドーナツを食べる食習慣はなく、食べる量も少ないので、比較的トランス脂肪酸を得る機会は少ないと思われます。先ほどの農林水産省の記事にもありますが、食文化から見て、日本人がもっと気をつけるべきところは、脂質よりも食塩です。

もし今後アメリカの食品を買う機会があれば、ぜひ表示を見てみてください。比べると脂質(トランス脂肪酸、飽和脂肪酸)の量、食塩の量、糖質の量、カロリー、一回量の目安など、いろいろ勉強になります。わたしは今となっては表示を見ずに食べ物を買うことはありません。

さて、いろいろ解説しましたが、というわけで明治のアーモンドチョコ、全部食べずに半箱で我慢します…というオチなのでした。

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