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ダージリンの秘密

割引あり

第一章:茶園の誕生

ダージリンは、静かな山々に囲まれた美しい土地でした。
その名は、チベット語で「ドルジェ・リン(金剛の地)」と呼ばれていましたが、イギリスの植民地時代にダージリンと呼ばれるようになりました。1841年、イギリス人のアーチボルト・キャンベル博士がダージリンに足を踏み入れました。彼は茶の葉を持ち込み、この土地で栽培を始めました。
最初は試行錯誤の日々でしたが、やがて茶園が花開きました。
1856年、初の商業目的の紅茶農園、マカイバリ農園が開園されました。
ここでダージリン特有の栽培品種が育てられ、世界中の紅茶愛好家を魅了しました。

第二章:香りの誘惑

ダージリンティーは、渋みとコクのバランスが取れた世界最高級の紅茶です。
しかし、その真の魅力は独特の「香り」にあります。
マスカットフレーバーと呼ばれるこの香りは、甘い果実や花のようなものです。
茶園に住む虫(グリーンフライ)がチャノキの葉をかじることで、茶葉が自ら甘い香りを発するのです。
その香りは、まるで天使の微笑みのようで、人々を魅了しました。

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