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日本映画を‘産地直送’で海外のミニシアターへ コギトワークス関代表×ユーロスペース北條支配人対談

ミニシアター、映画好きのためのオンライン・コミュニティ「ミニシアタークラブ」では毎回様々なゲストをお迎えして映画、映画館にまつわる様々なお話をしていただいております。
今回は、映画制作の枠を越えて、配給宣伝業務をしかも、海外のミニシアターと関係を構築する座組み作りで、現在、クラウドファンディングを実施(1月21日まで!! https://camp-fire.jp/projects/view/633004)し奮闘中の
コギトワークス代表の関友彦氏をゲストに迎え、今回の取り組みについて詳しくお話を聞いて参りました。

★クラウドファンディング情報★
■タイトル「日本映画を世界のミニシアターへ世界17都市の配給ルート開拓を目指し、クラファン実施中」
■期間:2023年1月21日まで
■URL:https://camp-fire.jp/projects/view/633004

■登壇者:関友彦(株式会社コギトワークス代表)×北條誠人(ユーロスペース支配人)
     進行・運営:青木基晃・朝山英明(ミニシアタークラブ)
■実施日:2023年1月11日(水)
■場所:コギトワークス

【対談レポート】

−今回のプロジェクト概要を教えください。


・関「映画を売る人、会社ってあるじゃないですが。自分は作る人なんですが。今回は自分が<売る人・セラー>にもなってみようと。それは国内に限らず海外も含めて自分で観客へ届けてみたいという思いから始めました。」
・ミニシアタークラブ運営(以後運営)「なるほど。映画を作って納品だけではなく、その後の上映までを一気通貫で行えるシステム作りをするためのクラウドファンディングなんですね。でも、なんでそもそも売る人にもなってみようと思われたんですか?」


−映画を届けるとこまで携わる大切さ

・関「2000年からフリーランスで制作の仕事を始めて2008年にコギトワークスを設立しました。もう思いっきり制作現場育ちで、とにかくいいものを作ろう!という気持ちで、極論を言いますと、初号、納品が終わった後は、もう次の作品の制作に入っていて、その映画の公開の状況などあまり気にしてなかったんです。ですが、今からだいたい6年前ほどに俳優の柳英里紗のマネジメントをすることなりました。そうすると俳優というのは、映画が完成した後にも劇場で舞台挨拶したり、宣伝したりしますよね?その活動に自分もついていくと、劇場の支配人の方と話したり、お客さんと話したりすることで色々な発見があり、「ああ、映画はお客さんに届けないと意味がないんだ」ということに気がつきました。そこで自社で作った作品を2本ほど小規模ながら配給したり(『すずしい木陰』(20)、『凪の海』(19))、入江悠監督から、『シュシュシュの娘』(21)を制作だけではなく配給もということでおかげさまで全国で43の劇場で上映していただけたりしました。そうすると、映画を作る人だった自分がまがいなりにも、映画を自分で届ける配給という業務をやることができたんです。これをどんどん強化していって、国内でミニシアターの支配人と話し、関係値を作るのと同様に、海外のミニシアター、劇場とも同じことができないか?と思い始めました。まさに、北條さんに、今日飲みに行きませんか?と言えるくらい海外のミニシアターの支配人と関係が作れたらいいなと。海外の劇場の北條さんのような人と仲良くなれたら!」
・北條支配人「自分で言うのもなんですが、支配人とやっていくのってなかなか大変ですよお(笑)」
・関「そうなんですかね!?(笑)」
・北條支配人「でも、売り込みにこられて、お会いして映画についてどのように考えてるか、この人とは信頼関係を作りながらお仕事できるかどうかは大切なポイントですね。」
・関「今、英語圏のミニシアターに絞っているのもそうゆう理由なんです。」
・運営「それ、聞きたかったんです。なんでミニシアターが多いフランスとか入ってないのかなって」
・関「それは、僕が英語しか話せないからです。」一同「(笑)」


・関「イギリスに留学していたんで英語はできるので、まずは英語圏の劇場の方と濃密に関係値を作っていければと。それで、この仕組みはコギトワークス限定ではなく、他にスペインやフランスにルートがある方がいたらお互いに協業したり、臨機応変に対応するつもりです。」

−日本国内での配給営業と同様に海外のミニシアターのベルを押しに行ってみる。


・運営「まあ、そうやって海外のミニシアターの門を直接叩いてみようと」
・関「はい。無謀かもしれませんが、ここからひとつづつパイプを作り上げていくんで、10年後くらいに、なんとかなってたらいいなぁ、と言う気持ちです。話は変わりますが、ここ数年、日本のニューミュージック、歌謡曲が世界で大きなブームを巻き起こしてますよね。日本の歌詞そのままで。もし届けることによって気付いてもらえれば日本映画でも同じことが起きないかな、、と思ってたりもします。」
・運営「まずは、自分で行動して切り拓いていかれますよね。関さんは。『シュシュシュの娘』の全国のミニシアターをオンラインで繋いだ舞台挨拶も、ご自分でPCを持ちながら配信しながらユーロスペースで頑張ってましたよね!」
・関「昔、制作部時代、まだそんなに各地にフィルムコミッションがなくて、あるロケ地候補を見つけたら、まず自分で行って、普通に断られてから色々、理由をつけて何回もピンポンしに行って仲良くなっていく過程が案外苦ではなくて、、そのノリで海外のミニシアターへもピンポンしに行きます。最初は、なんだコイツ!?って思われるかと思いますが、そこはしぶとく(笑)。あるインディペンデントの映画が、国内で上映されながらサンフランシススコでも上映されてる、ってなったら気分がすごく上がるし、携わった監督を初めスタッフ・キャストもモチベーションが上がるなと思います。」
 

−映画祭出品がマックスではなく、現地のお客さんに届けること。


・運営「映画祭ではなく、興行にかかる、というのがいいですね。」
・関「そうなんですよ。映画祭でもいいんですが、映画祭のその後の作品の行く末ってなかなかよく分からないので。お客さんの反応とか。映画祭がマックスじゃなくて、現地のお客さんに見てもらってどうゆう反応だったか、と言うのが自分にとっては重要です。」
 

−成功報酬と新しいレーベル


・関「作品を安定的に供給していくために、<New Counter Films>という新しい映画レーベルを立ち上げました。これは、限られた予算の中で年間2〜3本制作し、リクープ(事業の資金回収)が現実的に見える企画にして作り手と分配していくのが目的の一つで、更に大切なのは作り手、作家が企画内容を「フルスイング」できること。これによって作り手にも責任感が生まれて映画を届けるまでを共有できると思ってます。これも弊社が配給業務を行うことで配給手数料も社内でコントロールできるので、うまく実現できたら、非常に夢と可能性のある取り組みになり、コギトワークスと2本柱で進めて行きます。」
・運営「なるほど。これは作り手にとっても<自分ごと>になってワクワクしますね。」
・関「そうなんですよ。海賊だったら宝を見つけたら山分けだ!という感じで(笑)」
・運営「すでに海外のミニシアターにコンタクトはとり始めてるんですよね?」
・関「はい!メールを送ったりコンタクトを始めてるんですが、「誰なんだ、この人は!?」という感じがビンビン伝わってきますし、返事のないところもあります。」
・運営「でも、ピンポンし続けるんですよね?」
・関「もちろん!ピンポンし続けます!!」
・運営「頑張ってください。応援してます!!本日はありがとうございました。」

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