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石鎚山

ご覧いただいている画は愛媛県西条市と久万高原町にまたがってそびえる霊峰石鎚山の石鎚神社頂上社での景色である。
本来ならその向こうに天狗岳と言われるそのピークを望める場所でありながらすっぽりとガスに包まれて視界がとれていない。天狗岳への登頂をあきらめた瞬間でもあるわけだ。

”いしずっつぁん”
愛着あるいは親しみ、もしくは畏怖の念を込めてそう呼びならわされている石鎚山。
2年ほど前から登山という趣味に目覚めた僕としては、西日本最高峰と言われるこの山を制覇しないわけにはいかないだろう。

本来、修験者の山としてその名を誇るここは登山口に成就社、画にも示した頂上社を有しまた途中、鎖場と言われるその名の通り鎖を持ってよじ登る場
所も設けてある、文字通り霊峰パワースポットなのである。

いまだ登山初心者を自任する僕としては、その行程の下調べや準備においてあだやおろそかには出来ようもない。事故のない安全な登山をその神社にしっかりと祈願をし、同行者であるうちの奥さんとともに無事下山できるようその責任感という名の背中にパンパンに詰まったリュックをしょってスタートした僕を苦しめたのは、他でもないその詰められた、主に3リットルほどの飲料水、他バーナー携帯食などだった。

重い。

途中これは必要以上に重いのではないのかという疑念を蹴散らしながら必死になりながら登ってゆく。
「なんか、前に登った大山に比べると割と楽よね」などと言ううちの奥さんのセリフをピューピューと吹きすさぶ風の向こうに聞きながら、それでも一歩一歩確実にその歩を進めて、やっとたどり着いた頂上社の画が先のあの写真である。
これだけの強い風でもこの濃いガスが途切れることもなく、ほぼ這う這うの体で、持参した赤飯をうちの奥さんとシェアしてさっさと下山準備にとりかかる。

多少軽くなったリュックと下り道というアドバンテージを得てやはり登りよりは幾分楽なその行程を、「お家につくまでが遠足ですよ!」を心に刻みながらゆっくりと、しかし確実に下りていく。

8:40ロープウェイ始発に乗って始まった登山は始発駅15:30着の下山で無事駐車場にたどり着いた。

今度は来夏に、今回の教訓を糧に、天狗岳までのリベンジを、足にたまった筋肉痛にしっかりと誓うのであった。


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