このゲームは人生です

溜まり場となっていた友だちの家で
唯一入ったらダメだった場所がある

お兄ちゃんの部屋だ

そこには、魅力的なものがいっぱいあるのを僕らは知っていた

マンガにゲームにちょっとエッチな雑誌

お兄ちゃんがいない時は、こっそりみんなで忍び込んでお目当てのものを少々拝借し

バレないように遊んでいた

ある日、友達がまたこっそり持ち出してきたゲームがあった

それが名作
ドラゴンクエスト5 天空の花嫁

ゲームを勝手に起動して、無我夢中になって遊んだ

お兄ちゃんのいない時を狙って、みんなでブラウン管にかじつりくようにプレイした

※以下ゲームのネタバレもあるためご注意ください

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幼い主人公を待ち受ける苦難の数々
冒険での出会いと別れ
成長すればするほど現れる強敵

なんといっても
幼馴染と再開し、生涯のパートナーとして選択を迫られるというストーリー

幼いぼくらも、大人になったらこんな風に結婚するのかなと真剣に悩んで激論を交わした

普通に考えたらビアンカだろ
とか言うと
いやいや、フローラと結婚しないとかこんなチャンス人生で二度とないぞ
という反論が飛び交う

性格や恋愛の価値観の違いというのを
ドラクエ5を通して学ばせられた

とにかく秀逸なストーリー
今までやってきたドラゴンクエストの中でも驚きが多く

ずっと自分を重ねてプレイしていたその主人公は
実は真の勇者ではないという事実

それを後半突きつけられると同時に、最愛の妻との間にできたその息子と娘が勇者という設定

勇者しか装備できない装備が早い段階で手に入るのに、主人公には装備できないという伏線の回収が鮮やか

シンプルに
魔王を倒す

ではなく

家族が協力して悪に立ち向かっていく

というゲームだったことに気づいた時の感動と衝撃の大きさは

今もなお残っている

親であるパパスから受け継がれた思いを主人公が自分の子どもたちにもしっかりと受け継がせていく様を

ゲームをプレイしながら味わえる
この壮大な冒険は最高の体験

クリア後、カセットを箱に戻す時に
ドラクエ5のロゴにある３つの輪が
親、自分、そして子ども
という三世代の繋がりを意味してるのかな
なんて話を友達としながら帰ったあの時間は一生ものです

最終的に
お兄ちゃんにはセーブデータを消して遊んでいたことがバレて
全員目の前が真っ暗のゲームオーバーになったのも今となってはいい思い出です