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あめんぼ生活 #06 卵を求めていたら幼稚園時代を思い出した【今は昔】

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通りすがりの皆さま 
こんにちは!

卵を探し求めて

卵が…ない…!
と声に出さず叫んだ日本人が最も多かった日だったんじゃないでしょうか?

一昨日の深夜、24時間スーパーへ卵へ買いに行ったら
どこを見渡しても卵の姿が確認できない。

店内を2.5周したあたりで決心して店員さんに尋ねると
すごい申し訳なさそうな顔で「うずらの卵しかないんですぅ」と。

この時お恥ずかしながらニュースを見ない私は
ただ単に偶然卵が売り切れてしまっただけで
それなら明日買いに行こう、と気軽に思っていました。

しかし次の日も
お世話になっているお手頃スーパーへ行くと、
いつも買っている10個入り200円前後の卵が見当たらず
近所のお高めスーパーまで戻って買おうとしたら、そこでも無い…!


やっと私は異常に気づき、調べたら
鳥インフルエンザが猛威をふるい1478万羽の命が
処分されていたことを知り、当たり前のように毎日消費していた卵の
ありがたみが、しんと胸に沁みました…


とは言っても卵は必需品。
どうにか冷蔵庫に収めなくては。

そういえば
もう5年も前くらいに実家の近所のおばあちゃんからもらった
ヨードの卵(お高い上質卵)の引換券をもらった気がする!



と思い立ちすぐさま家に帰り、書類棚を漁ってみる。


あった!!!


諦めかけて古い財布をおもむろに開いてみたらそこには
端はぼろぼろ、茶色いシミもついてる黄色い引換券が。

でもこの時は眩しく金色に輝いて見え、
それを裸のまま片手にスーパーへ。

6個入りのヨードの卵を引換え、6個入り201円の卵を購入。
いつもの値段で二つ多く買えたお得感で
気持ちと体を弾ませながら家に向かいました。


5年前の近所のおばあちゃん、本当にありがとう!!


食事処『山茶花』と祖母と。

このおばあちゃん、私が幼稚園児の頃
『山茶花』という食事処を営んでいた近所では知られた人物。
私の家族は毎年、田植え終わりにそこで
おにぎりセットとアイスクリームを頼むのが習慣でした。

ただ私は別。
母が幼稚園に迎えに来れないときは祖母が迎えにきてくれて、その日は決まってこの『山茶花』に寄ってたんです。

おばあちゃんは「みんなには秘密だよ」って言って
連れて行ってくれていましたが

幼稚園児のお口は羽より軽い。

家族全員が知っている秘密となりました。

私は祖母が迎えに来てくれたときは
げんきんなもんで、倍嬉しかったなぁ。


食べられなかったアイスクリーム

『山茶花』を思い出す時、同時に思い浮かぶ出来事があります。


それは祖母が迎えに来てくれたある日、もう「祖母=アイス」とパブロフの犬化していた私は「アイスが食べれる!」と祖母の車の後ろではしゃいでいるうちに、よほど疲れていたのか車の中で寝てしまっていました。


そして案の定、目が覚めた時にはもう家に着く直前。


私は起きるなり状況を把握し、「アイスクリームは〜?」と大泣き。
あまりにも泣いていたようで祖母は困り果てた顔で
「なんだい、寝てたから要らないと思ったんだよ」と。
言葉にはできなかったけれど「いらないわけないじゃん!」と思ってました。


家についても泣き止まず、見兼ねた祖母は
私と祖母の公然の秘密を知っている一個上の姉も車に乗せ
車を走らせました。

・・・

私が覚えているのはここまで。
この後食べれた気もするし、たまたまお休みで食べれなかった気もする。

どちらにしても
今思い返すと何がどうしてそんなに悲しかったのか分からない。
ただ、アイスクリームを食べれなかった、あの時の悲しさと祖母の困り果てた顔が、なんだか妙にこびりつき、今でも忘れられない記憶となっています。



三つ子の魂百まで。
食べ物への執着が出来上がったのはこの時かもしれない。


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