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記事一覧

【詩】読書の支度

【詩】読書の支度

本を読む前には
お手洗いにゆく

ちょっとぐらい
飲食を忘れても

気がついたら
時間が飛んでいても

夢中だから
いいのだけれど

途中で
お手洗いに立つのは

夢中を妨げるから
嫌なのである

【詩】私の魔女

【詩】私の魔女

箒になんか
乗らなくたって

背中に翼が
生えなくたって

どこへだって
行けるさ と

私の魔女は
不敵に笑った

【詩】雨上がり

【詩】雨上がり

雨上がりの
花びらの雫が
美しいのは

たくさんの涙を
飲み込んで咲く
誇りのようだから

【詩】月の雫

【詩】月の雫

悲しみが満ちる秘かな夜
お月さまの流した涙が
夜の雫になりました

明日おひさまが昇ったら
どんなに美しく輝くのでしょう

【詩】母より

【詩】母より

きみの生命を
育んだ大地の

重みなど
忘れていい

私の知らない
明日へと

きみは ただ
飛び立てばいい

【詩】雨の日も悪くはない

【詩】雨の日も悪くはない

冷たい雨から
守ってくれる
ものがある

雨のあとにしか
咲かない花が
ここにある

【詩】健やかであれ

【詩】健やかであれ

奇跡のような日々を
どうか あたりまえに
過ごしてほしいのだ

あたりまえに
過ごせるほどに
幸せであれと願うのだ

【詩】春

【詩】春

おひさまの歌が
きこえます

もうすぐ
春が届きそうです

【詩】午前三時

【詩】午前三時

眠らなければ
今日は終わらない

ような気がしてる

【詩】芸術の種

【詩】芸術の種

今日も朝から
いたずら盛りの
子どもたち

あちらこちらに
芸術の種を
埋めています

【詩】空想少女

【詩】空想少女

モノクロな
世界に
色を塗る

毎日を
カラフルに
生きる

現実と
想像の
狭間で

【詩】味わう

【詩】味わう

とろけるように甘く
舌の上で 永遠に
転がしていたいものも

泣けるほど苦くて
すぐにでも呑み込んで
忘れてしまいたいものも

口に含んでみると
決めたのは私なのだと
思い知りながら 味わう

すべての出来事と感情を
ただ 味わう

【詩】わたしはわたし

【詩】わたしはわたし

ゆきだるまだけど
春が大好きでも
いいよね って

誰かに訊きながら
生きるのは
もう やめにした

【詩】旅路

【詩】旅路

老いた旅人が語るには

もう歩くことはできないが
心は 自由に旅している

天に召されるその日には
見えない世界を旅するのさ

旅を愛する旅人のままで