ファミリーネーム「スカイウォーカー」を選ぶということ
スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け 映画鑑賞感想
スターウォーズは問う。
「スカイウォーカーは何処にいるのか」と。
◼️ 平和創国時代の到来
「スカイウォーカーの夜明け」で、シスとの戦いの後、レイはあの懐かしいタトゥーウィンに居た。レイはかつてルークの住んでいた家のそばに2本のライトセーバーを埋める。もう武力で平和を守る時代は終わることを象徴するシーンだ。それは、レイの居る銀河だけの話ではない。
もちろん、シスの宗主が滅んだからといって銀河の隅々までが途端に平和で安逸になるわけではない。これから、彼らには新世界創建の別の戦いが待っているだろう。
ライトセーバーを埋めたレイに、通りがかりの老婆が名をたずねる。
「レイ」と答えると、ファミリーネームを問われる。
レイは遠くを見て、今一度自分が何者なのかを自らに問い、そして答える・・・
◼️ 血より強いもの
「血は水よりも濃い」という。
血の繋がりは他人との深い関係よりも強いものであるという意味だ。
スカイウォーカーはジェダイであることを運命付けられた血族である。では、同じようにパルパティーンの血は暗黒のシスを運命付けられた血なのだろうか。
そうではない。そうではないのだ。
本作劇中の一場面で「血よりも強いものがある」と語られる箇所がある。
血とは何だろう。そしてその血より強いものとは何だろう。
スターウォース銀河は過去から連綿と続く暗黒のコントロールの時を超えた。スターウォーズ「スカイウォーカーの夜明け」は今我々の世界にも過去の呪縛を脱する時が来たことを宣言するために作られたのだ。
過去や血統、つまりは自分の置かれた状況に隷属する時代ではなく、己の意思と、本心が求めるところの行動によって、己自信を創造する時代が来たのだ。
◼️ レイのその名は・・・
レイは答えた、「レイ・スカイウォーカー」と。
レイはスカイウォーカーを選択して、未来を創造し始めた。
「それで、そちらの銀河のお前はどうするのだ?」
フォースはそう問いかけているのだ、スターウォーズを通して。
フォースは血に働くのではない。強い意志に働く。
スカイウォーカーとは、闇に隷属することなくその本心に従い、強い意志で自らを創造する人の称号だ。
戦いに勝ったレイは、故に通りがかりの老婆にその名を告げたのだ。
◼️ 物語は終わらない
『スカイウォーカーの夜明け』は、むかしむかしの銀河の彼方の人たちの物語で終わるものではない。
「私」が「夜明け」に向かうかどうか、今の物語につながるのだ。
お前の中にスカイウォーカーはいるか?
スターウォースは問いかけている。
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