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コンタクトと、スターウォーズ・インディアナジョーンズのファンムービーと

 ブラッドピッドの「アド・アストラ」を少し期待しながら観た。「ARRIVAL」系のじわじわくるSF秀作になっているんじゃないかなと。
 しかし、残念ながらちょっと滑っている感じがして。SFをしながらもより社会的なテーマを!と、氣負うあまり鬱々としすぎた作品になってしまっているんじゃないかと感じた。この時代は父子の関係性が大きなテーマなんですね。だから、現実に即して行くとこんな風になるのも解るのではありますが・・・。映画には夢が欲しいタイプの私です。

 いずれにしてもこの映画は、「コンタクト」→「ALLIVAL(邦題:メッセージ)」→「インターステラ」→「アド・アストラ」っていう流れの中にある映画だと思います。
 西洋のアートは文脈を大事にしますよね。村上隆さんの本などを読むと、その文脈が全てだ! くらいに書いてある。そのツボを知ったので、村上隆は日本で唯一評価されている浮世絵という平面的なグラフィカルな感性の延長上にある現代のアニメ文化とそれらに根ざした自分の作品としてスーパーフラットを掲げて成功した。
 そんなわけで、「アド・アストラ」を見たら、なにか、「コンタクト」と「ALLIVAL」を観直したくなって、観ました。

 コンタクトは、Amazonプライムに入っていると今無料で観れます。ラッキー。ネットで見るので寄り道をしているすきに、とあるファンムービーとして作られた短編もYoutubeで観ちゃったんです。
 地球の砂漠で考古学者が発掘している遺跡が、実は太古に墜落したスターデストロイヤーだったというルーカス映画オマージュの短編ムービー。
 発想が面白いし、スターデストロイヤーが砂漠から浮上しちゃうカットも興味を引いたんですけれど、やはり、全体を観ていると大作映画というか、本物の映画と比べて、照明というかワイトワークに力不足を感じますよね。
 広角レンズの四隅が、蹴られてちょっと暗いのとかは、もう、低予算なので割り引いて観ることに全く抵抗ないんです。ですが、全体の画面。絵としてのチカラ。
 綺麗に照明が当たって、教科書的にはよく撮れている、綺麗に撮れているよねっていう画なんですが、何か物足りない。
 その後に「コンタクト」を見ると、何気ない部屋の中の画でも、綺麗に照明されていながら、アクセントになるハイライトとかが、ちゃんと入っている。ジュディ・フォスターの髪の毛にハイライトとか、部屋の奥の小さなスタンドの明かりとか。それがやはりすごくいい。
 もちろん、作品のテーマによってふさわしい照明や絵作りがあると思うのですが・・・。

 映画はビジュアルで、人の心を動かそうというメディアですから、そういう画作りっていうことはきっちりおさえたい。
 画面をどう作るか。照明を被写体にどう当てるかは、どちらかというと絵画の勉強だったりしますよね。絵画って言っても、西洋のリアリティー追求型の絵画。宗教絵画なんかは、すごく照明の参考になります。人の魂の尊さを表現する照明、キリストなど超自然的な存在を表現する照明ってどんなの!? っていうものが学べます。
 ちなみに私は、レンブラントが大好きで、学生の頃はシルエットの横顔をよく使いたがりました。そのレンブラントの絵に関しては別に書きました。

 マスターズオブライト。もう一度読み直したいですね。

 甚だ余談なんですが、このところ、映画タイトル「ALLIVAL」と、動画記録フォーマット「ALL-l」と、映画カメラ「ARRIFLEX」が同時期に登場したので、ちょっと混乱しました。綴りがRかLか、どれがどれだかわからなくなった。

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