「スカイウォーカーの夜明け」と「ジェダイの帰還」 クライマックス・シンクロニシティー

「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」(1/10鑑賞)映画感想
JJエイブラムスは、やってくれた! 古きSWファンに語る。
※クライマックスに関して書いてます

SW最終作はしっかりと「オリジナル」に立脚した作品になっていた!

 SWシリーズ「フォースの覚醒」「最後のジェダイ」はSWだか何だか分からない作品になっていたと感じていた。「ニューホープ」「帝国の逆襲」「ジェダイの帰還」オリジナル3部作と全く関係のない作品になってしまった。僕らの愛したSWはどこへ行ってしまったのか。全く隔絶された別の映画になってやって来た。そんな風に感じていたものだった。
 それで、レイにもカイロ・レンにも感情移入ができず、SWのシリーズ自体への関心さえ薄れてしまったのだ。(詳細は別記事で)

 しかし、最終三部作の最終作、スターウォーズ神話のオーラス作品「スカイウォーカーの夜明け」によって、全てが覆された!
 「スカイウォーカーの夜明け」はSWシリーズ最初の3部作の完結編である「ジェダイの帰還」と相似形を成す、正統なるSWシリーズの完結編として編み出されていたのだ!!

スカイウォーカーのクライマックスは、ジェダイの再現!

 かつて、「ジェダイ」で、スカイウォーカー親子が皇帝に対峙して、それに打ち勝ったクライマックスはこんなシーン構成だった。

 若き日のルークが皇帝を倒すために、単身デススターに乗り込み玉座の前で皇帝と対峙する。窓の外には惑星エンドアに突入しようとする友軍機の様子が見えている。友軍は強力なバリアに阻まれてエンドアに突入できず、次々とスターデストロイヤーに撃ち落とされる。反乱軍の絶望的な状況を見せながら、「お前もダークサイドに落ちるのだ」と、皇帝がルークを惑わす。

 一方、「スカイウォーカー」のクライマックスはこうだ。
 皇帝を倒すため、単身シスの本拠地に飛び込んだレイ。玉座の前でレイと皇帝が対峙する。レイの上空では友軍がスターデストロイヤーと交戦中だが、圧倒的な戦力差に友軍はどんどんと撃ち落とされてゆく。皇帝はレイに、「友軍を助けたいならお前がダークサイドに仲間入りし玉座を継げ。それしか助ける方法はない」と、レイを惑わす。まさに「ジェダイ」の再現だ。

 また、「ジェダイ」では皇帝とルークの他に、皇帝が手塩にかけた暗黒卿であるダース・ベイダーも立ち会っている。皇帝とルークの内的な戦いが繰り広げられるが、戦闘シーンの演出としてはライトセーバーがポイントになっている。
 「スカイウォーカー」でも、玉座の前では皇帝とレイの他に、皇帝が暗黒卿として育てて来たカイロ・レンが現れる。そして、皇帝とレイの決戦の際にもライトセーバーが戦いのポイントになっている。
 力の入るクライマックスだが、多くの古きSWファンが、このシーンにジェダイを重ねながら観ていたのだと思う。興奮は倍増だった!

 皇帝は結局倒される。「ジェダイ」ではジェダイ・ナイトのルーク・スカイウォーカーと良心を取り戻した元の暗黒卿アナキン・スカイウォーカーの協力によって。「スカイウォーカー」では、ルーク・スカイウォーカーの弟子であるレイと、良心を取り戻した元の暗黒卿カイロ・レンの協力によって。

いずれのファルコンのコックピットにも・・・

 「ジェダイ」と「スカイウォーカー」のシンクロニシティーはそれだけではない。ルークの窓外、レンの頭上で戦う反乱軍の中には、いずれもミレニアム・ファルコン号が飛んでいるのだが、その操縦席には時を超えてランド・カルリジアンが座っているのだ! この点でも「ジェダイ」を重ねながら観ていた古きSWファンは少なくないだろう。あまりに感慨深くて、思わず腹の奥の方から暑い息が漏れて来てしまったものだ。

 JJエイブラムスは、SWファンとしての本懐を遂げてくれた! そんな嬉しい思いでいっぱいだ。スカイウォーカーの夜明けで、ジェダイが帰還してくれたのだから。

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