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賃貸の初期費用を抑える方法5選【難易度別】

こんにちは。子育てミニマリストのメメです。

12月に引っ越しを予定しています。
私自身の実体験も含め、賃貸の初期費用を抑える方法について紹介していきたいと思います。

過去に退去費用に関する記事も書いているのでよければ見てみてください。


0.初期費用の一例

仮に家賃75,000円、共益費5,000円(11月15日入居日)の賃貸を契約しようとすると以下のような見積もりが出てきます。

家賃の5~6ヶ月分が相場と言われています。
上記の数値は、実際に私が見積もりをとったものを組み合わせて入力したもので、あくまでも参考程度に見てください。

1.火災保険【成功率:高】

大前提として、火災保険は入居者が自由に選べます
「独占禁止法」や「保険業法」上、火災保険は任意のものに加入できます。

たまにというよりも実際ありましたが、指定の保険会社でないと契約できないと言われることがありますが、嘘です
できれば担当の上司に確認してもらうか担当を変えてもらいましょう。

ただし、貸主(大家さん)からは「火災保険の加入を必須」とすることを条件にしている場合が多いため、どのような火災保険の条件であれば問題ないか確認しましょう。

大抵の場合は、「借家人賠償特約」(保証金額を指定される場合もあります)が付いていれば問題ありません
家財保険は自身に掛ける保険なので必要がない場合は保証をはずしても問題ありません。

安いところだと、2年間で7,500円程度で加入できます。
これだけで1万円程度節約になります。

安い火災保険の選び方は以下のサイトが参考になります。
勤務先によっては団体扱いで安い火災保険に加入できるのでそちらも検討してみてください。

2.入居前のクリーニング代、防災セット等【成功率:高】

虫駆除サービスや消毒代、防災セット等は不要です。
初期費用を貸主負担とするか借主負担とするのが妥当かは、国土交通省が出している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン (再改訂版)」が参考になります。

平成23年8月の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン (再改訂版)」の21ページ目には以下のように記載があります。

原状回復をめぐるトラブルとガイドライン (再改訂版)

●全体のハウスクリーニング(専門業者による)
賃借人が通常の清掃(具体的 には、ゴミの撤去、掃き掃 除、拭き掃除、水回り、換気扇、レンジ回りの油汚れの除去等)を実施している場合は次の入居者確保のためのものであり、賃貸人負担とすることが妥当と考えられる。

原状回復をめぐるトラブルとガイドライン (再改訂版)

●消毒(台所、トイレ)
消毒は日常の清掃と異なり、 賃借人の管理の範囲を超えているので、賃貸人負担とすることが妥当と考えられる。

原状回復をめぐるトラブルとガイドライン (再改訂版)

基本的に、入居前の消毒代や虫駆除サービス、防災セットとうはオプションという位置付けであり、断ることは比較的容易ですが仲介業者からはあまりいい顔はされません。

「初期費用が予算オーバーなので、消毒代等を見直してもらえればすぐに契約します」という形で即入居する意思があるということを伝えれば、比較的通ると思います。

3.鍵交換手数料【成功率:中】

鍵交換手数料については、原状回復をめぐるトラブルとガイドライン (再改訂版)に「賃貸人の負担とすることが妥当」と記載されています。

原状回復をめぐるトラブルとガイドライン (再改訂版)

●鍵の取替え(破損、鍵紛失のない 場合)
入居者の入れ替わりによ る物件管理上の問題であり、賃貸人の負担とすることが妥当と考えられる。

原状回復をめぐるトラブルとガイドライン (再改訂版)21ページ

不動産会社によっては、「前入居者からの引き継ぎで問題なければ交換は必須ではない」と言っている業者もありました。

ただし、契約書に「鍵交換費用負担特約」が記載されており、借主が確認した場合は、「鍵交換費用負担特約」が有効とする判決が出ている事例もあります。

鍵交換費用負担特約については、宣伝用チラシ、重要事項説明書に記載されていること、 契約締結時に仲介業者が口頭で説明していること、賃借人Xは鍵交換費用を含めて契約金を支払っていることからすれば鍵交換費用を負担する旨の特約が明確に合意されているものということができ、要素の錯誤があったと認めるに足りる証拠もない

【東京地方裁判所判決平 21.9.18】
判決の要旨

初期費用を抑えたい方は、鍵交換不要と伝えることで応じてもらえる場合もありますが、貸主(大家さん若しくは管理会社)から契約の条件として「鍵交換費用負担特約が必須」と言われる場合もあるため、一度、不動産会社に確認してみると良いです。

4.礼金、当月分の家賃【成功率:低〜中】

礼金や当月分の家賃(フリーレント)は貸主(大家さん)との交渉になるため、閑散期や空室の期間が長い場合は通る可能性があります。

ただし、管理会社が大家さんから一括借上をしているサブリース契約形態の場合、交渉先が大家さんではなく、管理会社になるため、難しい場合が多いです。

聞くのはタダなので、あくまでもお願いベースで聞いてみましょう。

本物件は条件通りですごく気に入っているのですが、ちょっと初期費用が予算オーバーです…。
可能であれば、〇〇万円以内に納めたいと思っています。

家賃発生日を早めたり、短期解約の違約金があってもいいので礼金の減額若しくは当月分のフリーレントを大家さんと交渉いただけないでしょうか?

初期費用値下げ交渉 例文

「家賃発生日を早める」や「短期解約の違約金特約」など、大家さんに有利な条件を提示すると通りやすいそうです。

ちなみに、私は失敗しました。

5.仲介手数料【成功率:低】

「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」という法令に仲介手数料に関しては、以下のように記載されています。

・仲介手数料の上限は貸主,借主合わせて家賃1.1ヶ月分
・貸主,借主一方から受け取れる仲介手数料の上限は家賃0.55ヶ月分

つまり、入居者が払う仲介手数料は家賃の0.55ヶ月分が原則です。

宅地建物取引業者が宅地又は建物の貸借の媒介に関して依頼者の双方から受けることのできる報酬の額(当該媒介に係る消費税等相当額を含む。以下この規定において同じ。)の合計額は、当該宅地又は 建物の借賃(当該貸借に係る消費税等相当額を含まないものとし、当該媒介が使用貸借に係るものであ る場合においては、当該宅地又は建物の通常の借賃をいう。以下同じ。)の一月分の一・一倍に相当する金額以内とする。

宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額

「居住の用に供する建物の賃貸借の媒介に関して依頼者の一方から受けることのできる報酬の額は、当該媒介の依頼を受けるに当たつて当該依頼者の承諾を得ている場合を除き、借賃の一月分の〇・五五倍に相当する金額以内とする。」

宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額

ただし、上記の通り、「当該依頼者の承諾を得ている場合」は「仲介手数料は家賃の0.55ヶ月分以上」でも問題ないとされているため、仲介手数料は家賃1ヶ月分を払っているのが実情です。

入居同意書等にも「ご成約の際、仲介業者にお支払い頂く仲介手数料は、貸主と借主の合計限度額に当たる賃料1ヶ月分相当額(別途消費税) を借主様(ご契約者様)にご負担頂きます」と記載されていることが多いです。

不動産会社は、「この条件での契約を呑める人とだけ契約しますよ」というスタンスなので、入居者には交渉の余地がないのが現実です。

初めから仲介手数料0〜0.5ヶ月分を謳っているミニミニなどの不動産会社から契約するのが手間がかからずいいと思います。

まとめ

仮に、成功確率が中〜高の初期費用を節約できた場合、約9万円程度節約できます。

私の場合は、元々の見積もりに消毒料や防災セット等が入っていなかったため、火災保険を任意契約に変更してもらい、1万円程度節約できました。

それ以外の仲介手数料、鍵交換手数料については「納得いかなければ別の物件を検討してください」と言われました。

賃貸を借りる場合は貸す側と借りる側で情報格差が大きく、借りる側のリテラシーが求められます

我々、消費者が「仲介手数料は0.55ヶ月分が一般的」「鍵交換は貸主負担が原則」といった正しい知識を身につけることで、ガイドラインの指針と実情とのギャップが縮まっていくといいな、と信じています。


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