日本は慈善活動「後進国」
今年もまたクリスマスがめぐってきました。
買うぞ―食べるぞーと思ってるかた、ちょっと落ち着きましょう。
クリスマスって、どんちゃん騒ぎする日じゃないんですから。
あと、クリスマスに限らず、なんだかいろいろイベントがあるにも関わらず退屈な気がするという人は、たいてい消費しかしていない人です。
なにか生産的な活動をしたり、社会に貢献することを考えましょう。
クリスマスを機に、寄付やボランティアをするというのもいいんじゃないでしょうか。
ただ、日本は統計上、圧倒的な「慈善活動 後進国」だと言われています。
「自分さえよければいい」という考えは貧しい
CAF World Giving Index の世界ランキングの2017年版によると、139か国中、日本は111位となっています。ちなみに110位はモンテネグロ、112位はマリ共和国です。いうまでもなく、両方とも最貧国です。
このランキングは、世界的に信頼されている世論調査機関、ギャラップ調査(Gallup Poll)のデータをもとに、CAFが統計的に算出したものです。
統計なんてものは、変数の取り方でかなり差が出てきたりするとはいえ、日本の111位って、ちょっとひどすぎませんか。日本は経済的にはまだ一応先進国で、G7の一員でもあるのに。
この世界寄付ランキングは、大きく分けて、「お金を寄付する」、「ボランティアに時間を費やす」、「見知らぬ他人を助ける」、と3つの項目があります。そして、厳密にいうと、日本の順位が低いのは、「見知らぬ他人を助ける」意識の低さが関与しています。このスコアがズバ抜けて低い。(139か国中、135位)
ようは、身内や知り合い、利害関係のある人は助けても、それ以外は知ったこっちゃない、と言う態度です。
おそらくは、「お金を寄付する」についても同様の傾向があると思われます。身近な人には金銭的な援助をしても、他国の貧困や遠方の災害には無関心というか。
日本政府が国としてじゅうぶん援助してるじゃないか、というのは言いわけに過ぎません。CAF World Giving Indexは、あくまでも、各国における「個人の意識」の高さを示す指標です。
それに、アメリカやイギリスも途上国への代表的援助国ですが、その国民も個人として慈善活動には熱心です。CAF World Giving Index で、アメリカは総合で5位、イギリスは11位。日本とは比べものになりません。
これは、ひいては、社会問題や国際情勢にたいする、個人の意識にも関係しているんではないかと思います。
かなりの数の日本人は、「誰かがなんとかするだろう」、「そのうちなんとかなるだろう」と思ってるんじゃないでしょうか。
とにかく人まかせなわけですよ。気持ちはわからないでもないですが、それって結局、とりあえず自分さえよければいい、という姿勢です。
そして、その「自分さえよければいい」という考えは、裏を返せば、他人の痛み苦しみが実感をもって理解できない、という想像力の欠如とも言えます。ましてや、自分が助けを必要とする事態に陥る可能性など考えもしないのかも知れません。
「個人が寄付したりボランティアにせいをだしたところで、大して何の足しにもならない。ましてや、赤の他人を助けることに意味なんてない」、という人がいますが、傍観者でいる限り、何も変えられません。
慈善 (Charity) というのは、結果は目に見えないかもしれない、直接に感謝はされないかもしれない、それでもする、だからこそ慈善なんです。
このクリスマスは、傍観者でいることをやめてみてはいかがでしょう。