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これ以上の進化はほんとうに幸福?

 リニア建設で地盤の水位が下がっているという。JR東海はあらゆる手段でこれを解決して建設を進めることだろう。
 
 日本の技術革新を応援しリニア開業を心待ちにしている人はたくさんいるだろうけど、ぼくはリニアカーに全く興味がない。興味がないというより、そんなものは無いことが望ましい。

 ぼくの好みとしては、文明と暮らし・機械と人のバランスは、2000年あたりまでの数年間がベストだったようにおもう。スマホが普及してからはいろんなことがつまらなくなり、特に日本人はスマホと引き換えに多くを失ったようにおもう。

 モノが発達の度を超えたところで、人は頭を使わなくなっていく。スマホは特にこれをわかりやすく示してくれる。
 スマホ注視で青信号になっても進まず、また赤になるまでついに気がつかない人は歩行者にも自動車運転者にもたくさんいる。せっかく友人と会っても、スマホの恩恵で他の人とやり取りしている。スマホに夢中になっている間、人の思考は停止するようで、話しかけても聞こえないことがほとんどだ。

 検索すればすぐに答えが出るスマホ。頭を使わなくなり、視力を低下させ、姿勢を悪くし、遠くの人と通信できる代わりに目の前の人とのコミュニケーションを断絶する。電車の7人がけロングシートではたいがい、これを見事に7人全員が並んでやっている。こんなスマホを今の子どもたちは当たり前にもっているが、果たして教育にいいのだろうか。

「見たいとおもう世界の変化に、あなた自身がなりなさい」

とはガンジーの言葉。これを鵜呑みにしてぼくはスマホを使っていない。折りたたみのガラケータイプを愛用している。電車とバス以外の会計は常に現金だ。

 ぼくが見たいとおもう世界の変化とは、多くの人が便利なものにつられ過ぎず「ちょうどいいところ」で立ち止まるようになること。だからぼく自身がやっている。

 アップルやギャラクシーなど、スマホ以外にも、買い物はアマゾン、食べ物はウーバー、着るものは中国、会計はキャッシュレス(現金とキャッシュレスについては別の機会に詳しく書こうとおもう)。消費生活の多くを海外に払っている。これは日本人の賃金を自分たちで上がらないようにしているのと同じだ。

(※103系の47%電力を達成したかに見せていた209系電車は、ドア開閉装置をフランス製、制御装置の一部にドイツ製を使用。世界一と言われる日本の鉄道が何ゆえ海外の装置を導入したのか本当に気に入らない)

 第二次大戦のあと、リーダー格のアメリカ軍人が言っていたそうだ。
「日本人には新しくて便利に見えるものを与えれば、我々は彼らを支配するための苦労をしないだろう」

 ぼくたちは、土地の水位を下げてまでどこかへ早く移動する必要があるだろうか。その技術は人を幸せにするだろうか。たまにはスマホ注視なんかやめて考えてみよう。

「考えること。その行為をしないのなら人として何の価値があろうかね」
シャーロック・ホームズ



時速220㌔も出ればたくさんじゃない?あるいは土地が荒廃してもリニアじゃないと我慢できない?

 

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