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大人ってもっと強いと思っていた。

もうなんかすごい節目な気がする二十八歳。
数少ない同性の友人はほとんど結婚してしまった。最後に残っていた友人も、流行りのアプリで出会った彼とトントン拍子に同棲が決まったとのことです。そんなわたしはというと、少し前に恋人にお別れを告げられ、最後尾をボロボロの状態で足を引き摺りながら歩いています。

SNSは結婚の報告や、出産の報告、子供の成長記録でいっぱいです。二十八歳って「普通は」こういう人生を送るんじゃないかと錯覚してしまうくらいにキラキラしていて眩しい。こういう時に使うのかな。目がぁ…!

友人から、「トントン拍子に同棲が決まった」と聞いたのは、わたしが恋人に別れを告げられた二日後で、幸せ絶頂の彼女をみて、ただ喜んであげれば良いものを、「付き合って一ヶ月も経ってないのにそんなこと決めてしまって大丈夫なの?」「2人とも一人暮らししたことないのに上手くいくの?」などと言ってしまう自分に大概嫌気がさした。わたしと彼の共通点を嬉しそうに話して、「きっと仲良くなれるよ」と言う彼女にわたしは笑顔を向けられなかった。完全なる自己嫌悪です。

その後、2人でラーメンを食べに行ったけど、味がしなかった。楽しく聞いてあげられないことが申し訳なくて、涙が溢れた。泣いてるのがバレないように、「なんか…」と言い出したものの、続きを話せなくなってしまった。それでも彼女は全く急かさずにそっと耳を傾けてくれた。

「楽しく聞いてあげられなくてごめん。」

「全然。また聞いてくれれば良いから。」

そんな優しい友人なのに、今わたしは彼女の幸せそうなInstagramのストーリーを見ることができない。もうすぐ引っ越してしまうのに、連絡もできていない。引っ越しても、会いに行けない距離じゃない。でも、どんな顔して会えば良いんだろう。
なんて自分勝手なんだろうと思うし、俯瞰して自分を見ると本当にカッコ悪い。ずっと胸の辺りがモヤモヤとする日々が続いている。

結婚してる方が偉くて、独身がダメなんて全く思っていない。本当に。それがわたしの主張なはずなのに、知らない大人からの「そろそろ結婚せなあかんな」なんて言葉に一番気持ちを振り回されているのは結局自分だったりする。

子供の時は、「はやく大人になりたい」と思っていた。
学校では「あの子があんなこと言ってたよ~」「〇〇と〇〇が喧嘩した」と噂話が蔓延しているし、帰ろうと思ったら下駄箱に靴がないこともあったから、人間関係って面倒くさいなあと思っていた。
こんな風に傷ついたり、凹んだりするのは、まだ経験の浅い子供だからだと信じていた。

大人は強いんだと希望を持っていた。

それが、どうでしょう。こんなもんです。
些細なことで凹むし、何もかもどうでもよくなる日があったりする。信じられないくらい寂しくなってシクシク泣きながら眠ることもあるし、反対に全く眠れないことだってある。友人に弱音をはいて、「おいしいご飯をたべて」「早く寝よう」と優しくアドバイスをもらっても、耳が痛くて、全く聞こうとしない日だってある。

大人が強いとおもっている子供時代のわたしへ。
こちらだめだめです。


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