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編み物で一番好きな瞬間

昔から編み物をする。しゅっしゅっと自分の手のなかで、それまでクニャッとなっていた糸が平面に、さらには立体になっていく様子がたまらない。
出来上がるとさも「自分の居場所はもともとここでした」言わんばかりの雰囲気。


ただの白い毛糸が、クマのぬいぐるみの耳と言う役割になる。
立派な出世である。

そんな糸もどこかがほつれて、シュルシュルっと抜けてしまうと一本の毛糸に戻る。編んであったからどこかあとが残ってしまっているけど。ちょっとヨボヨボになったその糸も愛おしくなる。


そして、また白い毛糸はクマのぬいぐるみを卒業し、別の役割の糸になることができる。

ヨボヨボになった毛糸でも丁寧に編めば新しいカタチになる。
編み物のそんなやり直せる感覚が好きなのは秘密である。


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