初めてのアルバイトは学校だった。
大学入学時、アルバイトは諦めていた。
理由は通学時間が2時間あったから。
2時間かけて大学に行くんだから、大学の施設や制度をたくさん利用しようと考えていた。
資格もできる限り取得した。
色彩検定・手話検定・MOS(Microsoft Office Specialist)など。
高校時代に不合格だった英検も、会ったことがない英文学科の先生にメールでアポを取って面接対策をしてもらったな。(今思うとおそろしい行動力)
ちょうどMOSのエキスパートの資格を取得した時に、資格担当の方が私にこう言った。
『付属中学・高校でアルバイトの募集をかけてるの、やってみない?』
情報の授業で一番後ろでスタンバイ、授業中つまづいている生徒がいたら教えたり声を掛けたりするのが仕事内容だ。
学校や教育に興味があった私は、声をかけていただけたことが嬉しく、二つ返事で了承した。
その時私は大学4回生、週2回のシフトだったので、授業や就活を調整すれば問題ない!
次の年就職すればラストになる、アルバイトチャレンジを私はモノにした。
バイト先は大学から出て徒歩5分。
坂がかなりキツかったが、運動と捉えて歩いた。
学校に着いたら、当日の授業内容の確認。
授業が始まる前にパソコン教室でスタンバイした。
5時間目と6時間目が始まったら教室の後ろから見守る。担当は中学2年生と高校3年生だったと思う。
女子大の付属の中学・高校だったこともあり、この学校も女子校だった。大学からの紹介で安心感があった。きっとみんな大人しいんだろうな。
「ここらへんに座ってる子ははしゃぐし、話聞いてないことあるから気を付けてな。」
えっ、そうなの?女の子って、こう、おしとやかに静かに座ってコツコツ作業するんじゃないの??
休憩時間中、私も彼女らの洗礼を受けた。
『大学生さん!名前何ー?クマ子??』
クマ子な訳ないだろう!
授業中もキャッキャおしゃべりをする生徒たち。
「イスをくるっと回すだけにしてな、体に触れたら“暴力”って言われかねないから。」
女子中学生・女子高生の相手も大変だ。
細かい注意点はあったとはいえ、充実した1年を過ごせた。やっぱり生徒みんな個性があって楽しかったな。
副業が解禁の会社が出てきている。
仕事もアルバイトも“縁”があってこそ成り立つのかもしれない。
私はこれからどうなるかわからないけど、興味あるものには手を上げてやってみたいな。
久々に過去のアルバイトのことを思い出してそう思った。
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