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母のある疑惑

このエッセイが書き終わった時に、
ちょうど最寄り駅に着いた。

ちょっと田舎なので、
最寄り駅からは車で迎えに来てもらっている人が多い。
私も例外ではなく、母が迎えに来てくれている。

エッセイも書き終わり、
「帰ったらいつも通りに妹と接するぞ。
………ちょっとはプンプンすべきか?
いや、それでは台無しだ。」なんて思いながら、
いつものように母に“着いたよ”報告の電話をする。

プルルル
もしもし?
なんと出たのはまだ仲直りできていない?
妹だった。
え?なんで?
「あれ?」と私は言っていた。
「あー、ママケータイを忘れちゃったみたい」
「あぁ、そうなの?わ、わかった、歩いて…みる!」
ちょっと動揺したのがバレなかったかな?

いつも待機している場所を知っているため、
そこまで歩こうと考えたまさにその時、
母の車がやってきたのだ。

「ケータイ家に忘れちゃってたみたいー
あれ?カバンから出したかなぁー?」
母はたまにこういうことをする。
「まぁまぁ、すぐに気づいたからいいじゃん」
と私は答えた。

が、すぐ後にある疑惑が生じた。
もしかして、わざと……?

例えば仕事終わりにドミノピザを頼んだ件。
本当は「妹に頼んでよー、そこにおるんやろー?」
と言わせたかったのかもしれない。
結果的には、私がはいはいとピザをネット注文してしまい、妹から「ありがとな」のスタンプが来たのだけど。

だから母は帰ってから私が気まずくならないように
妹との会話を変なタイミングにさせたのでは?
妹が母のケータイに出ることで、
普通の会話をせざるを得ない環境を作ったのでは??

これが事実なら母はかなり計算高い。
天然ほわんほわんではないぞ。 
だからといって、その事実を母に確認はしたくない。それは野暮すぎる。
できれば計算せずに、結果はよかったです。
という事実であってほしい。
でもこれで普通に妹とは話せるから、感謝だ。
帰りの車の中、
不思議な、でも心地よい空気が漂っていた。

P.S.普通に会話できたが、
慣れるまで内心ドキマギしていた姉だったとさ。

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