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パワーワード:めんどくさい

去年研修をしていた後輩から電話があった。
彼は2ヶ月ほど前に店舗責任者になった。
ある業務についての質問だった。
やべ、私もやらなくちゃ。

『あーーもぉー。』
電話の向こうでため息が聞こえる。
彼は他の社員の言葉を借りるなら“ダウナー系男子”。
続く言葉はわかっている。

『これ、適当にやっていいですかね?
めんどくさいですよ、時間の無駄ですよぉ~!』
適当にやっていい仕事があるはずがない。
あかんに決まってるやん。

「これやったらわかることもあるから!いろいろ分析できるよ。私も今からやるから一緒にがんばろ!」
そうなだめつつも、実は私も“めんどくさい”と思っている張本人だった。どうして店長が店舗運営しながらこの仕事もしないといけないのか…。

それよりも彼が言語化した“めんどくさい”に、ちょっと笑ってしまう自分がいた。
その業務は動画で優しく方法を教えてくれている。ゆっくりやれば必ずできるのだ。

それなのに、
「やったことないから」
「難しそう」
「忙しいから」
「この業務が無駄だと感じるから」
それらを引っくるめて、“めんどくさい”と人々は言う。
ダウナー系男子だけじゃない。私もそう思っていたことに気がついたのだ。

電話を終えた私もその業務を始めた。
そういえば、私も“めんどくさい”ってちょこちょこ言ってるなぁ…。
でも、“なぜめんどくさいと思うのか”まで考えてなかったな。

いろんな意味を引っくるめて使えるパワーワード、“めんどくさい”。
その中身をしっかり考えてみると、実はそこまでめんどくさいことではないと気づいたりする。

「初めてやったけどできた!」
「意外にかんたんだったじゃん!」
「5分でできたのに、なんで後回しにしてたんだろ?」
「これ使ったら、この間知りたかったアレが一瞬でわかるじゃん!やってよかった〜!」

“なぜめんどくさいと思うのか?”を考えるのすら、
めんどくさいかもしれないけど、その理由に1つ1つ向き合うことでいいことが起きるかも。
そう思えた瞬間だった。

後輩からの確認してほしいとメッセージが来た。
間違いを訂正しつつ、2人共無事提出できた。

「電話なかったら、私後回しにしてた!ありがとう!」とメッセージを送り返した。
ありがとうと私が言った背景を後輩は知らない。

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