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ナースの労働環境をグローバルに見ると

★病院で起きていること =2=ナースの負担と働きぶり

前回はわたしの経験の範囲内のお話を書きましたが、客観的に見て「わたしが前に知ってた時よりナースは本当に大変になっているのか?」ということを、もう少し掘り下げて調べてみることにしました。

ややこしい話が読みたくない人は「ざっくりまとめたよ!」に飛んでください。

「えーそれってどゆこと?」って思ったら戻って資料を見てください。

まずは資料を集めてみたよ!

こちら2017年の記事です。下は図だけ抜粋。

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2交代制がふえつつあることを示しています。当然看護師の労働時間は長くなります。そして今年2019年の同じ医労連の発表が出ました。

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同じ「赤旗」の記事ですが、ここにある「国際水準」や「ILOの勧告」とは何でしょうか。

赤旗とか民医連とか「特定の色じゃね?」と、思う人がきっといらっしゃると思ったので、もはやこの問題はそういう色の問題じゃない。ずっと以前から看護師たちが取り組んでる問題でもあるんだよということで、下記の団体からも資料を借りてきました。

大変丁寧な資料がたくさんありました。

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また同じ協会の「夜勤の負担軽減と長時間労働の是正をめざして」というリーフレットには、労働科学からみた事故のリスクと労働時間、実際の過密労働の例が掲載されていました。

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そして、この協会が紹介しているILOのホームページを見ると、看護職員についての条約はまだ日本は批准(つまり条約に基づいた約束)をしていないことがわかりました。

1977年の看護職員条約(第149号)
正 式 名 : 看護職員の雇用、労働条件及び生活状態に関する条約
(第63回総会で1977年6月21日採択。
 条約発効日:1979年7月11日。情報提供が求められている最新の条約)
日本の批准状況:未批准 ◆批准国(筆者カウント41国)
条約の主題別分類:看護職員  条約のテーマ:特殊なカテゴリーの労働者
[ 概 要 ]
この条約は、「看護職員」とは看護及び看護業務を提供するすべての者をいうと定義し、働く場所の如何を問わずすべての看護職員に適用される。条約の批准国は、可能な限り、住民の最高の健康水準を得るために必要な看護の提供を目的とする政策を採用し、適用する。
看護職員は、労働時間、週休、年次有給休暇、教育休暇、出産休暇、疾病休暇、社会保障の分野で、少なくともその国の他の労働者と同等の条件を享受する。看護業務の計画に看護職員が参加すること、並びに看護職員に関係する決定について看護職員との協議を促進するための措置がとられるものとする。
同名の補足的勧告(第157号) が同時に採択されている。

難しい!!!!

難しいからざっくりまとめたよ!

ここからお読みの方、最近わたしがはまっている「せやろがいおじさん」風に早口で大声で再生してみてください。

ナースの働きやすいかどうかによって、
わたしたち患者の命が安全かどうかがきまるってこと、
もう火を見るより明らかになっていて、ここ、
なんとかするしか、ないんですーーーーーーーーーーーー!

ということです。

もう一言言わせてもらいます

ILOがある国連というのは、世界の国々が集まって地球の平和と発展のためにいろいろな決まり事を作って発信し、その約束事が守られているか見守ったりアドバイスする役割を持っています。

その中でILOというのは、労働条件についての取り決めを交わすところで、世界中の働く人々が健康で働けるよう国連に加盟してる各国がこの約束事を守ろうね。守らない国があることが守ろうとする国の邪魔をするよ。儲けとか強くなるとかばっかり考えず、働く人たちの立場で世界を支えあおうね!という発信をしています。

すごいです。こんなこと日本でまじめな顔で言ったら「お花畑」と言われてしまいそうです。

しかし、ILOはまじめだし、その看護職に関する条約を「わかった!やるよ!」と約束した国が40以上ある。

アゼルバイジャン、バングラデシュ、ベラルーシ、ベルギー、コンゴ、デンマーク、エクアドル、エジプト、エルサルバドル、フィジー、フィンランド、フランス、ガーナ、ギリシャ、グアテマラ、ギニア、ガイアナ、イラク、イタリア、ジャマイカ、ケニヤ、キルギスタン、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、マラウイ、マルタ、ノルウェー、フィリピン、ポーランド、ポルトガル、ロシア連邦、セイシェル、スロベニア、スウェーデン、タジキスタン、タンザニア、ウクライナ、ウルグアイ、ベネズエラ、ザンビア。

これ、いくつか抜粋しようと思いましたが、全部書いちゃいました。わたしはあまり知らない国もあるし、今内戦や戦争に巻き込まれてすごく苦労してる国もある。

わたしはね、思うんです。こうした約束事を守りながらこつこつ小さい国で力を合わせて前進していこうとしてる国がある、同じ地球で、日本というもういい加減発達しきってジュクジュクした国が、そういう努力を「お花畑」とかわらって、そのくせ「グローバル」とか「世界一」とか言いたがるのって変じゃないですか!?

変っていうかすごく時代遅れというか、ちっぽけでどこがグローバルなのかなーって思っちゃいます。

そしてね、そういうことを「お花畑」って笑ってる人たちの暮らしを、深呼吸して見てみたら、日本の中ででも医療がそもそも受けられないくらい生活に困るような貧困層が増えて、先代先まで使いきれないほどの巨万の富をため込む大富豪がちょぼっとだけ生息している。

ちょぼっていっても日本くらいの人口が多い国でも「1%」で相当の人数いるけど、「その他99%」っていったら、もっともっともっと多い。

わたしは足が治ったら何をしようかなと考えながら入院していました。

そういうとき、地球温暖化について解決を望む運動をしているグレタさんという娘たちとほぼ同世代の少女のはたらきを見て「わたしも大人として何かこたえることをしなきゃいかんな」って思いました。

せっかく治った足で元気で長生きしたら、あと50年生きられるかもしれません。生きられるはずなのにそのとき地球が温暖化で消滅してたら元も子もないし、なにより子どもたちもかわいそう。

ナースの労働問題は直接地球温暖化に関係はしないけど、地球温暖化に真剣に取り組まない理由は、「そんなことより今ともかく儲けたい」人たちの声ばかりが大きいからだと思う。

そういうひとたちが、オトモダチ同士で税金使って桜見てるんだからどっちがお花畑なんだよ!

と、思うともう早く元気になって世界平和のために働く人になりたいです(笑)

リハビリ、がんばります。

今回は結構壮大な話になっちゃったけど、このマガジン(人工股関節全置換手術を受けました)はあと2回で終わる予定です。

またちんまりとした、生活的な話に戻るので、また来てくださいね♪

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峰里えり
自分の経験をもとに思いのまま書いていきたいと思います。 現在「人工股関節全置換手術を受けました」(無料)と 「ハーフムーン」(詩集・有料・全51編1000円)を書いています。リハビリ中につき体調がすぐれないときは無理しないでいこうと思います。