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休職で仕事を失ったらどうしよう!

★人工股関節全置換術 1
   するかしないか仕事との折り合い

まずこの手術を受ける人にとってほとんどほかの病気とは違って悩む部分がこれかと思います。それは
「いつ受けるのか?」
「そもそも受けないのか?」

わたしの場合一番の迷いどころは、家庭内の事情と仕事との兼ね合いでした。

わたしは出版部門、通信教育部門を抱えるいわゆる「団体職員(アルバイト)」です。内容が働く人を中心としたすべての人たちに学びの機会を提供して、社会全体を見る目を培い、それぞれが孤立分断させられたひとりひとりをつないでいこう!という団体なので、「病気やケガで解雇!」ということがあれば存在意義と大きく矛盾してしまいます。

しかしそれにしても、いろんな方々からお話を伺いましたが、入院は一か月から三か月かかる、仕事の復帰は三か月から一年かかる場合もある・・・という情報までいただき、いくら解雇にならなくても置いていただいていいのか?待っててくださいと言えるのか?ここがまず、難関でした。

次にわたしが抱えている家庭の状況は、子どもが受験生の中三の双子であるということでした。幸か不幸かふたりともいわゆる「不登校」なので受験する学校は学力を競うところではなく
 ●通い続けられる
 ●通えないとしたら意欲をもって通信教育を続けられる
 ●将来の目標をもってそれと合致した内容を学べる
 ●子どもたちの発達の特性に学校側が理解をもって接してくれる
などのいくつかの条件を満たしてくれることが必要です。

幸いわたしの仲のいい保護者友だちや、教育関係の活動をされている方々から、二年生のうちから情報をいただいて、おおよその志望校のめどは立てていましたが、それにしても受験の年の秋から春にかけてが手術、入院、リハビリと重なったとき、ただでさえガラスのハートの双子がむしろ頑張るのか、それともよれよれになってしまうのか。もうここのところは「博打」でしかありません。

しかし仕事にしろ、子どもにしろ一番さけたいことは「最もあってはならないときに救急搬送されて再起が遠のき他人も巻き込む」ということでした。

個人的に「今でしょ」と思った理由やきっかけは前回のラストにすでに書いてしまいましたが、仕事に限定してあらためてまとめるとこうなります。
 ●せっかく訪れた仕事の境目を逃さない
 ●周囲と1年、短くとも半年くらい前から情報を共有して長期的対応の準備してもらう。
 ●労働法をよく学んで「こういうとき辞めなくてもいいんだ」という強さを身に着ける
 ●病気そのものをよく学んで気軽に誰にでも状況を説明できるようにしておく
 ●「噂」として状況を広めさせない。求められたら自分の口で話す、もしくは、責任者と情報を共有して的確に説明してもらう。

この中でも「労働法との関係」は重要だと思います。

上記は経営者側からの目線での相談です。いくつかの例がありますが、私の場合、実際はともかく契約上は職務を限定しない無期雇用のアルバイトですから、仮に三か月の休職期間が必要だったとしても、それだけで解雇することは、ましてわたしの側が辞める意思を示していない場合、解雇は困難となるでしょう。場合により円満退職を勧められるかもしれませんが、そのときはそのときで考えるくらいの覚悟はちょっとはありました。

なんせ痛かった!そして検査をしてみたら大腿骨頂の空洞が、いつ崩壊してもおかしくないのですから。

ただいくつか努力したことはあります。
 ●職務の中にいくつか「わたしだけしかわからない仕事」があって、それをあえて分業する努力をわたし側からもちかけていた。
 ●休職中も在宅ワークが可能になるよう具体的に要望をした。
 ●その他出勤時間や通勤経路など協力してもらうことでなるべく早期に復職できる道があることをこちらから提案した。
 ●上記すべてについてあくまでも「希望的予想」であり、なにがどうあっても最悪三か月は何もできない場合もあり、もうその際はその三か月はいないものとして考えてくださるようせつにお願いをした。

結局職場側の判断で当面在宅ワークはしなくていいことになりました。またためていた有給休暇を消化するかたちで休職分をすべてではないものの無収入を逃れることができました。

職場では大掛かりな人事異動や、わたしが担当していた仕事の年度代わりの時期も重なり、正直なところ通常より大変なときにいなくなっちゃう!ということは本当に心苦しかったですが、逆に言うと「いてもいなくても大変なんだからわたしにしろ職場にしろなんかもー諦めて受け入れるしかない」という状況だったこと。そのときに今まで以上に職場の皆さんの結束が高まってたすけあいの「心」というと観念的ですがシステムができていくことを個人的には望んでいますが、ここはしがないアルバイトですのでわたしが口出しできる範囲のことではありません。

わたしは現在の職場も仕事内容も愛していますし、誇りにも思っています。

幸い現在のところ経過も順調で、こうして毎日に近く長文をこつこつ打つこともできています。また「在宅ワークをするかもしれない」と、夫や周囲と相談していましたので、足腰に負担のかからない大きさのパソコンデスクを譲ってもらったり、ネット環境を二階から一階に移設したりもできました。

こうしたことは実は退院を早める要素のひとつにもなります。

人工股関節全置換術の場合、退院のめどは「生活環境と治癒度合いが合っているか。自宅で生活しても危険ではないか」ということが目安のひとつになります。うちは高齢者が同居していたこともあり、もともと不完全な部分もあるけれどバリアフリー設計でお風呂場に手すりもあったし段差も多くありません。これに主婦で、パソコンを使う仕事をしている、ということになれば「在宅で無理しないでも働ける環境が家にある」ということは、強味です。

今回の写真はうちの双子です。小さいころはよくモデルにして撮影していましたが思春期に入ってから久しぶりに撮影しました。このとき一緒に女性ふたりのカメラマンが「きゃー。尊い~♪」などと言いながら娘たちを乗せてくれたので、親だけじゃ決して見せてもらえない表情も撮れて面白かったです。

最後に判例が載っている労働相談のサイトをみつけましたので、紹介します。

こうしてみたとき、インターネットにこういう具体例が載っていることって重要だなとつくづく思います。仕事としては発信する側でもあるので、多くの人のニーズに応える工夫していかなければならないですね。

自分の経験をもとに思いのまま書いていきたいと思います。 現在「人工股関節全置換手術を受けました」(無料)と 「ハーフムーン」(詩集・有料・全51編1000円)を書いています。リハビリ中につき体調がすぐれないときは無理しないでいこうと思います。