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【創業ストーリー】総理大臣通訳のエリート外交官がキャリアを捨てて選んだ道とは?

外交官として世界の大舞台に立ったのちに合同会社こっからにジョインし、ミネルバのプログラムを精力的に広めている合同会社こっから代表・黒川公晴の軌跡を伝えます。


憧れの外交官への道、世界を股にかけた活躍

幼いころから英語が好きで、高校で1年間アメリカへ留学しています。「英語を使った仕事がしたい」、「外交官になりたい」と夢を抱き、2006年にその夢を形にして外交官としてのキャリアがスタートします。

外務省時代はワシントンやイスラエルに駐在し、通商や貿易関係の交渉、アートプロモーションなどを担当。その後も、ニュージーランドとの漁業権益をめぐる交渉や、日米地位協定にも関与するなど、各国との交渉の前線に立ちながら、スケールの大きい仕事に携わってきました。

ターニングポイントはアメリカで学んだ最新の組織開発理論

時を同じくして、アメリカの大学院で組織開発やリーダ―シップ論を学ぶ機会があり、これからの組織やリーダーのあり方について最先端の理論に触れたことが私にとってのターニングポイントになってきます。

複雑性を増す社会で必要となるリーダーシップは「変化する強さ」。一方で行政や大組織に強く見られる「変わらないことの正しさ」。抱き始めた理想と現実のあり方に違和感を感じ始めたのです。

リーダーとして【何をするか?】ではなく、【どうあるか?】を追求しはじめる

外交官としては、最終的に安倍首相の通訳まで担当させていただくことができ、自分にとってのキャリアの一区切りを迎えられた実感がありました。

このころから仕事のモチベーションへの自問自答が深まります。「この先、自分が本当にありたい姿は一体何か?」

どんな地位に就くのかではなく、深い自己理解をもとにそれを表現できるリーダーシップを体得したいと思うようになってきたのです。

外交官の道を捨て、幼馴染6人での起業

そんな自問自答のさなか、幼馴染5人がベンチャーを立ち上げることになりました。人と組織の変化に伴走しながら、人材開発・組織開発事業を展開する会社「合同会社こっから」です。「いつかみんなで事業をやろう」という約束を交わし、それぞれが一度社会に出て経験を積み、パワーアップした面々が再集結するというストーリーが創業の背景に流れています。

その知らせが自分への問いに拍車をかけました。果たして自分は彼らのような「変化する強さ」を持ち合わせているだろうか?「いつか事業を」という約束を交わしたまま、自分だけ易きに流れていないだろうか?

「外交官として何をするか」ではなく「黒川公晴としてどうありたいか」を追求した結果、創業から少し遅れて合同会社こっからにジョインすることを決めました。外交官からベンチャーへの転身、当然周囲からは反対にあいましたが、自分の中ではもう迷いはなく、仲間たちとの冒険に飛び込んだのです。

合同会社こっからは「人生を、Playfulに」というビジョンのもと海と自然に惚れ込んだ福岡県糸島に拠点を持ち、私自身も糸島へと移住して今に至ります。

ミネルバと出会い確信、人生を賭ける覚悟ができた

合同会社こっからで活動していく中で、あるご縁をきっかけにミネルバプログラムの講師の依頼をいただきました。ミネルバ大学が尖った教育機関であり、指導法が特殊であることを知ったのはこのタイミングです。

アメリカで学んでいたリーダーシップ論の「変化する力・適応型リーダーシップとは?」に真正面から細かく答えているのがこのプログラムの特徴で、これからの社会に求められるリーダーシップを実践的に装着することができる内容。大学院の机上で学んだ理論のぼんやりとした輪郭が急にクリアになった感動を覚えています。教授法も特殊で、自分の中で「学ぶとは?」へのパラダイムシフトが起きました。

講師としてプログラムを提供していく中で、一流企業の優秀な方たちが楽しんで学び、開眼して10週間終えて帰っていく姿を目の当たりにし、とても可能性を感じました。このプログラムを日本に広めることで、日本のリーダーシップを変えていけるという確信が生まれ、人生を賭ける覚悟を決めたのです。

すべては日本のリーダーシップの概念を変えていくために。ミネルバ日本進出の苦労と道のり、そして今後への想い

その後、ミネルバプロジェクトと合同会社こっからは日本ではじめての業務提携を結びます。これまでに30社400名を超える方々に提供させていただいていますが、満足度は非常に高く、多くのリピート受講をいただいています。

しかし、ここまでは決して平坦な道ではありませんでした。教材の日本語化には半年ほどを要しましたし、学習者主体の学びのスタイルがまだまだ日本では受け入れられないときもあります。

乗り越える壁はありつつではありますが、私自身はこのプログラムで提供できる価値にますます惚れ込んでいますし、日本のリーダーシップの概念を変えていきたいと強く想っています。「優れたリーダー」の定義が変われば、教育が変わっていくでしょう。最終的には暗記主義や詰込み型教育に一石を投じていきたいです。

また、現在進行形で複雑な社会課題に向き合っている社会起業家やNPO法人の方たちへもミネルバの学びを届けていきたいという想いから、社会起業家を対象としたプログラムの無償提供を始めました。よりよい社会を目指して複雑な課題と向きあうときに、このプログラムで手に入れられる武器を使って大きく羽ばたくことができると思うからです。

これからもミネルバ×こっからはますます進化を続けます。ぜひご期待ください。

プログラム詳細はManaging ComplexityのHP(https://www.kokkaraxminerva.com/)をご覧ください。

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