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Orientation Weeks: 到着からの2週間

到着から2週間ほど経ち、ようやく多少落ち着いてきた。
とはいえ着後1週間はホテル暮らしだったので、まだ届いていない家具もあるような状態である。国際学生のオリエンテーションが割と早く始まるので、国際学生の中には同じように家の契約がまだのため、ホテル / air bで仮住まい生活の人が何人もいた。

前回のロンドンの院生活では、さしたるオリエンテーションもなく授業に速攻ぶち込まれたので、色々と今回、大学の手厚さにびっくりした。

まず国際学生のオリエンテーションが8月2週目から1週間あるのだが、思ったより結構な人数がいることに驚いた。約3万人の全学生のうち1,700人ほどが国際学生というので、5%強ほどいることになる。ロンドンの某学校は7割弱いたので勿論それよりは大分少ないが、絶対数で考えると思ったよりはいるな、という感じがした。

初日のレセプションの様子 (国際学生オフィスのinstagramより拝借)

曰く、大学街であるIowa Cityは人口約7.5万人なので、その4割がアイオワ大の学生という計算になる。大学職員等の数は上述の3万人に入っていないので、7.5万人の多くは大学関係者ではないだろうか。ちなみに街の大部分がアイオワ大関係者というのが肌感としてどういうことかというと、キャンパスを歩いていてもダウンタウンを歩いていても (到着から大して日は経っていないのだが) 知っている顔に出会う。そもそも大学とダウンタウンは明確に分かれている訳ではなく、大学のオフィスとレストラン/スーパー/薬局等の商業施設がごったになって一つのモールのような建物に入っていたりする。大学の中に自然史博物館や美術館、果ては発電所まであったりするので、まさに「大学街」という表現がピッタリくるような場所だ。
ちなみにIowa Cityは3人に1人がbachelor's degreeを持っている (=大卒者) とのこと。確か大卒者割合が最も高い東京でも3割くらいだったと思うので、この小さな田舎街が!とちょっとびっくりした。まぁ大学関係者が多いという背景はあるのかもしれない。

色々基本的な情報のセッションが沢山あったが、全体を通して感じたのは「大丈夫だよ、ヘルプのリソースは沢山あるからいつでもすぐリーチアウトしてね」というメッセージの強調だった。

なんて優しい言葉が並んだスライドなんだろう、と涙した

繰り返すが私はロンドン時代、「異文化に慣れることは大変だよね、でも大丈夫だよ」的なメッセージを聞いた記憶がなく、どちらかというと外国人だろうとなんだろうと一学生として扱われた、と思う。国毎のMulticulturalismとAssimilationの違いなのか、単に学校の雰囲気の違いなのかよくわからないが、もしあの時これだけ必要なアドバイスが得られていたら、心理的にもう少し楽だったのかなぁと思うなどした。

国際学生オリエンテーションの次週は、学部・大学院 (Graduate College) によるオリエンテーションである。私の学部のビルは川沿いの可愛らしいレトロなビルヂングだった。

溢れ出る尋常小学校味

どこの学校も似たようなものだと思うが、博士課程は人数が多くないのでこぢんまりしている。10人ほど (今年が多いだけで例年5人以下らしい) のcohortの中に、留学生は私以外にナイジェリア、エクアドル、イランから。また、ロンドン時代もそうだったが、欧米の大学院には多様な年齢/人生の段階の人たちがいる。学部新卒の人、私のように数年働いて戻ってきたという人、子育てをしている人、数十年働いてから来たという人 ー 実に様々だ。実際私が住んでいる大学院生/教職員の実質寮のようなアパートメントには、子どもや犬も多くいる。
学部長はとてもリラックスした雰囲気で、みんなファーストネームで呼んでね、と挨拶してくれた。ちなみにコロナ前まで使っていた建物では院生皆がデスクを持てていたが、今のビルに引っ越してきた際手狭になったため、オープンスペースの院生ラウンジになったらしい (個人のロッカーはある)。他の学部はラボ同士ピリピリしてたりもするけど、うちは皆で活発に議論してアイディアがスプレッドアウトしてる雰囲気が好きだから、ホワイトボードとか自由に使ってね、とのことだった。

週明けから本格的に授業が始まるので、ぼちぼちリーディングも始めている (ただデスクがまだ届いておらず部屋では何もできない)。久しぶりの大学院は記憶と同じようでいて、数年の社会人経験が自分の中に確かに残した変化を感じる瞬間があったりする。論文では無いにせよ、レポートや政策文書を多く読んだり/書いたりする仕事をしていたことは、プラスに働いたような気がする。そうした数年前の自分にはなかった余裕に、驚きつつ嬉しくなったり、一方で時間の経過を確かに感じ、何故かほろ苦い気持ちになったりしている。

来週からのクラス議論を楽しみに、マイペースにやっていきたい。

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