スヤスヤ教 創世記
神は「睡眠あれ」と言われた。すると睡眠があった。神は睡眠を見て、良しとされた。神は光の睡眠時間と闇の起床時間とを分けられた。
神は眠っている時間を昼と名づけ、起きている時間を夜と名づけられた。
第一日である。
神はまた言われた、「布団と布団の間におおぞらがあって、掛け布団と敷き布団とを分けよ」。そのようになった。神は掛け布団と敷き布団を造り、人びとはその間のおおぞらに住むようになった。
第二日である。
神はまた言われた、「頭の所に集まり、かわいた地が現れよ」。そのようになった。神はそのかわいた地を枕と名づけた。
神はまた言われた、「敷き布団の上には青草をはえさせよ」。そのようになった。神は青草をシーツと名づけた。神は見て、良しとされた。
第三日である。
神はまた言われた、「もう疲れた。休も。やっぱり週休四日こそ至高」。しかし、そのようにはならなかった。世界は未だ週休二日制に苦しんでいる。神は悲しんで、週五労働とブラック企業を滅ぼすことを約束した。
第四日である。
神はこの日、何も言われなかった。これまで造られたものを慈しみ、満ち足りた心で眺めた。良き過去を振り返ることは、良き眠りをもたらす。神は布団に包まれ、大いに休まれた。
第五日である。
黄金の週末、神は親しからぬ者どもから酒宴に誘われた。神はまた言われた、「酒宴なかれ」。そのようになった。酒宴はなくなり、神と人びとの睡眠時間は守られた。慈悲深き神は、安らかな眠りを求める人びとに、この力を分け与えようと決められた。
第六日である。
神は親しき者から酒宴に誘われた。神はまた言われた、「酒宴あれ」。そのようになった。神は酒宴を大いに楽しまれた。
神は酒宴を光の酒宴と闇の酒宴に分けた。闇の酒宴は、人も多く、騒がしく、心を乱し、眠りを妨げた。しかし、光の酒宴は、人も少なく、酒すらいらず、穏やかで、心に安らぎを与え、眠りを深めた。
神は光の酒宴で英気を養い、明日から頑張ろうと誓った。
第七日である。