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2. 置き物社員

【2024.4.25】
「玄関に置いてある陶器の置き物」

誰にも、1番言われたくなかった言葉だった。
でも真っ当で、間違いなく転機をもたらす一言だった。

入社して約1ヶ月、会社のリアルへの解像度が上がるにつれ、「海外事業立ち上げ」の現実味は薄れていった。
とりあえず、現場を知って、海外市場を調査して、任せた仕事に取り組む日々。
現場を知れば知るほど海外への海図が描けなくなっていった。

そして、週例の顧問とのメンタリングで冒頭の一言。

メンタリングの内容を自分なりにまとめると以下の通り。

  • 「この人を採用したい」が先んじて会社も私自身も、曖昧なまま進んでこなかったか

  • いま会社が掲げる目標と海外進出の目標は矛盾してないか

  • 私自身が3年後5年後どうなっていたいか、それによってこの1年11ヶ月で何を達成したいのか

「何をやっても良いよ」は期待に満ちた言葉か。
その先には、何もなかった。
VFJの初期研修で出会った先輩に「『何やってもいいんだ。1番難しいね』」と言われたのを思い出していた。その通りだった。

帰り道、涙が出た。ただただ悔しかった。
日本の外にいたい、その生き方を実現するのに、深く考えずに他者をあてにした自分の不甲斐なさ。本当に海外で働きたいならはじめから海外支社がある企業か、外資に入ればよかったじゃないか。私は自らその選択肢をとらなかったじゃないか。
VFJという道を選んで得られる経験や実力に、あれもこれもを期待して、肝心なところを甘く考えていた。
どうして、どうやって、海外に行って何がしたいのか。
言語化することを怠ったまま、「海外事業立ち上げ」とか「海外市場で戦ってみたい」とか、大きすぎる箱に投げ入れて、具体的に考えようとしてこなかった。

VFJで入社したからには、字面だけは立派そうな学歴なんて隠して、ビジネスの現場で実力でもって戦ってみたかった。
それなのに。
会社にとって勿体無いような人材を飾ってる状態。このままだと傷つかないように置いてあるだけ。

「かけにいけ」
最後に言われた、顧問の鋭くも温かい言葉が背中を押した。

タイミングってあるもので、明日はちょうど社長と打ち合わせの予定があった。
用意していたアジェンダは全部投げ捨てた。
もう一度、自分の向き合い、社長と向き合いにいく。

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