泣き虫王子
うちの子供は齢2歳にしてプレイボーイ。
すぐに周りに女の人が集まってくる。
先日もスーパーで、お菓子をいくつも欲しいとねだり、非情な鬼親に却下されたので、スーパーの床に大の字になって泣き叫んだ。赤ちゃんの可愛らしいアーンアーンという泣き声ではない。野獣の雄叫びだ。子どもは声が大きい上によく通る。
買い物客の視線が集中する。繊細そうな12歳くらいの女の子が耳を塞いで足早に通り過ぎる。。急いで、子供おもちゃ売り場に移動したが全く泣き止まない。
「はい、これよかったらどうぞ」
その時、救いの手が現れた。カエルのケロちゃんのキーホルダーを差し出しているのは、私と同年代に見える女性。子供は一旦泣き止んでケロちゃんをしげしげと見つめている。
「あ、私ここで働いてるんですけどもう帰りで。それ、商品のおまけで余ったのいっぱいあるんです。声向こうまで聞こえてたから(笑!
私も今小学生の子供いるんですけど、そのくらいの歳の時、同じように泣かれて大変だったんですよ」
と聖母マリアのごとく、彼女は爽やかな笑顔を残して去っていった。
相手に気遣わせないように、でも困っているのを見兼ねて来てくれたのだ。御礼もそこそこに、やっとこさスーパーから出れたと思ったら、またお菓子を思い出したらしく、道端で号泣。。元の木阿弥。こっちが泣きたいよ、やれやれ、とジタバタしてる身体を抱き上げようとしたら
「あらあら、元気ねえ!何悲しいの?」
と道行くおばあさん方が次から次へと立ち止まり声をかけて来てくれた。
最終的には、3人目の方が
「何かないかしら、あらあった!」
と恐縮して固辞する私にチョコレートキャンディを下さり、それを舐めて怪獣の機嫌は収まったのだが。
まずい、このままでは泣けば何か貰えると思い込んでしまう(既になっている。。)
でも、不甲斐ない母親を救ってくれた、優しい女の方達には感謝の気持ちでいっぱいだ。
いつも親切な方達の好意に救われている。
同様な事は保育園の帰り道でも。今度はもっと年若い女の子が寄ってくる。またもや、公園でもっともっと遊びたい!と泣き叫び、自転車乗らない!と大騒ぎ、すると「どうしたの?」と大抵話しかけてきてくれる。たまたまなのか綺麗で愛らしい女の子ばかりだ。
そして、手を繋いで一緒に遊んでくれたり、子供の気を逸らしたりしてくれるのだ。
おかげで、保育園のママの知り合いはほとんど居ないのに公園の女の子達の名前は覚えた。
たまに保育園に送った後、駅前で出会うと「カイくん!」と手を振ってくれる。(いや、私はカイくんではないけど)
いかん、このままでは困ったら女の子に頼ればいいやと考える軟弱男になってしまう。。
私的には、横浜流星君の様に見た目は爽やか王子様で実は空手の達人という強い男の子が理想だ。(全く私個人の好みだ)
だけども、たとえ強くなくても芯が優しい子であればいいのだ。
足痛いなあ、と言ったら、大丈夫? と私の足をよしよしと撫でてくれた、、そのままで大きくなって欲しい。
女たらしじゃなくて、泣かなくても、自然と人が寄ってくるような「人たらし」になって欲しい。
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