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サンドラ・オー主演コメディNetflix新作ドラマ『ザ・チェア~私は学科長~』

【海外ドラマファンのためのマガジン第109回】

今回はエミー賞ノミネート作紹介をお休みして、鑑賞したばかりのNetflixオリジナルドラマ『ザ・チェア~私は学科長~』の感想を書いていきます。

ドラマの舞台は、ニューイングランドっぽい町にあるペンブローグ大学(架空)。この古き大学の文学部英語学科の学科長に、女性として、またアジア系としてはじめて就任したキム・ジユン教授(サンドラ・オー)が主人公です。

まず、「学科長」って何だろう?と疑問に思いました。
学部長とは違うのか?とか。

英語学部長は、デヴィッド・モースが演じるラーソンという人物が努めているので、サンドラが演じるジユンは、英語学科の教授の代表者、または議長的な役割のようです。

ジユンは、学科長に就任してはりきるのですが、学部長のラーソンは、さっそく古株の教授3名のクビを切るように迫ってきます。
ジユンは、彼らの授業は時代おくれだと思いつつも、その貢献度を考えて、クビにすべきではないと思うわけです。

30年前なら、学生たちが溢れていた授業も、同じことを30年続けていれば、現代の学生たちの好みには合わなくなってくる。
けれど、古株教授たちは終身在職権を持っていて、クビにもしづらい。

結局、上の教授たちが退職していかないと、若い教授に終身在職権が回ってこないという悪循環。

こういうことって、現実の大学にもある問題なんじゃないかな?
ショーランナーのアニー・ワイマンは、実際に大学の英文学科で教授の経験があるそうで、大学の実態を描いたドラマと言う意味でも興味深いものがありました。

大学の裏側を描くドラマって、ありそうであまりないですよね?
もし、「この大学ドラマがあるじゃないですか!」というものがあったら、コメント欄で教えてください。

『ザ・チェア~私は学科長~』には、ジユンの学科長としての奮闘と、同僚教授との恋愛、自身の養子との関係性、そして大学の改革という興味深い要素が詰まっているのですが、1話30分で全6話という短さなので、どれも表面的に描かれてしまったのが残念です。

サンドラ・オーは、コメディの天才なので見ていて楽しいのですが、大学の実態についてもっと深堀りして欲しかったなという物足りなさは感じました。

でも、どうやらシーズン2がありそうな雰囲気でもあるので(正式発表はまだ)、大学教授という閉ざされた世界の実態をもっと見てみたいという好奇心はくすぐられます。

海外ドラマファンには、おなじみの俳優ホランド・テイラー、ボブ・バラバンといったベテラン勢が脇を固めてサンドラを盛り上げてきます。

特筆すべきは、若い教授ヤスミンを演じたナナ・メンサー。『13の理由』のアマラ役、『ニューアムステルダム』のカンデラリオ医師役などを経て、今回の役に抜擢されています。とても目を引く存在感をもっている女優さんなので、名前を覚えておきたいと思います。

それから、デヴィッド・ドゥカヴニーが、サプライズゲスト的な存在として登場してきて驚きました。
笑いの要素にだいぶ絡んできます。コメディセンスはとても楽しめるのでサンドラとデヴィッドファンにもおすすめです。


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