夫がコロナに感染し、ある日突然、幼い2人の子供とともに濃厚接触者になった妻の話 子どものこと編~後編

前編からの続きです。

・外に出られないなら早く寝てしまえ作戦

あとは生活リズムを1時間縮めていました。寝かせる時間を1時間前倒しにして、その分お風呂、夕ご飯、おやつ、次男のお昼寝、お昼ごはんも1時間早くしていました。1時間短くするだけでも1日早く終わるような気がしました。寝る時間が1時間延びても寝るだろうと。その子の眠り方の個性によるのですが、うちでは割と有効だったので助かりました。

・自宅待機中のゴミ出しと郵便受けを見に行くときの話

ゴミ出しや郵便受けを見に行くのは子どもたちを寝かしつけてから行ってました。郵便受けもちょっと遠いんですよね、マンションだと。ゴミは集積所があるので曜日時間問わず出せる環境だったのがありがたかったです。この家を空けてる一瞬の間に泣いたらどうしようと思うと気が気じゃなく、帰りはそこそこ全力で走っていました。

・ワンオペお風呂は大変です。

大変なのは、何するにも大変なんですけど一番はお風呂でした。冬だから寒いですし、脱がせたら早くお風呂に入れたい!のですが、大人は私一人しかいないので、次男を引っ掴んで脱衣所に連れていくと、長男がすっぽんぽんですり抜けて居間に走っていきます。その長男を連れ戻すと、同じくすっぽんぽんの次男がキャーキャー言いながら高速ハイハイで居間に突進、また連れ戻し以下略を繰り返していました。一生お風呂入れない。言うまでもなく私も生まれたままの姿です。絶対カーテン開けないでくれと思いながら怪獣2人を追いかけ回していました。

何とか2人をお風呂場に連れていきドアを閉めて、メインの洗う行為が始まります。長男はともかく、何でも口に入れる突拍子もない行動の多い次男を見張りながら自分の髪や顔を洗うのに一番気を使いました。泡を触るだけならいいんですけど、すごい勢いでその手を口に持ってくので泡を消すのに忙しいです。間に合ってないことも多いです。苦くないんでしょうか。とりあえず先に自分の髪と顔を洗うのを終わらせて、自分の視界が確保できる状態にならないと湯船に入れられないので、2人には傍らで待っててもらいました。次男はまだ両脇を支えてあげるか抱っこしてあげないと湯船に入れないので、結構長い時間寒いかもしれない洗い場で待っててもらいました。長男は目さえ離さなければ一人で浸からせてても大丈夫なので、こういう様子を見るとお兄ちゃんだなあと思ったりしました。

出るときも大変なことです。たぶん出るときが一番大変なんじゃないかと思います。全員びっしょびしょなのでどんな順番で拭けばいいのか全然わかりません。ので、勢いで拭き上げて着せてってとにかく必死で、何やらあまり覚えていません。自分に余裕がなく焦っているので、全然拭くことに協力してくれず、ベタベタのまま床に寝っ転がる長男に「立って!」ときつい言い方をしてしまったり、イライラが顔や態度に出ていたりと。お風呂のときが一番反省することが多かったなと思います。

・少しだけ楽だったこともありました。

基本的に大変だったって話ばかりなんですが、少しだけ良かったこともありました。夫が宿泊療養に入ってからは洗濯物や食事関連のことが楽になりました。通常だと2回回していた洗濯が3人での生活になると1回で済むようになりました。食事も大人一人分減るだけでだいぶ量が違います。自分だけの食事ならすごい適当でいいやってなりますし。立ち食いや何かしながらご飯上等です。ゆっくり食べてる暇はないのでいろいろ省略できて簡単です。あとは外に出ないので化粧しなくていいのが楽でした。すごいズボラな発言でなんなんですけど。そして何といっても神経尖らせて行っていたこまめな手洗いと消毒作業が激減したのが本当によかったです。両手のひび割れも次第に良くなっていきました。

・期間中とても嬉しくてありがたかったこと

義実家のお義母さんがこまめに来てくださり、煮物や炊き込みご飯などのお料理や子どもたちの好きな果物やおやつ、いろいろ持ってきてくださったのがありがたかったです。ありがたくて、いただいた物たちを広げながら泣いてしまったこともありました。お義母さんのおかげで料理はほとんどやらなくてもごはんは回せました。とてもありがたかったです。

私の実家は地方で遠いのですが、毎日のように電話に付き合ってくれたり、コーヒーやお茶やおもちゃを送ってくれたり、遠くても会えなくても伝わるものはあるし、温かいなあありがたいなあと噛みしめる日々でした。信頼できる友人たちに事情を打ち明け、たくさん労いの言葉をかけてもらったこともとても嬉しかったです。

子どもたちも外に出たいとごねることなく、家で過ごしてくれてよかったです。もしかしたらもう少し大きい子だったら、ずっと家で過ごすのが窮屈でなだめるのが大変なのかもしれないなと思いました。長男はたまたまインドア派だったので何とかなりましたが、活発な子だったら納得させるのも大変だったかもしれません。

・ワンオペは本当に大変だということ。

ワンオペって大変ですね…名もなき作業のオンパレードです。何かするには必ず「片付け」がくっついてくるのがなかなか厄介で。食べるなら食器や調理器具、保存容器の後処理。買うなら買ったものを所定の位置に収納したり、通販ならダンボールが出るので解体作業もあります。どれも小さな作業ではあるのですが、その小さな簡単な作業が無尽蔵に湧いてくるのが家事育児です。キリがありません。生活する以上、必ず誰かがやらなければなりません。それも小さい子と一緒だと取り掛かるタイミングや場所、ぐずる前に手早く行う時短の工夫など気を使うことが多いです。

本当に、普段からワンオペで家事育児をこなしているお母さんたちのことを思うと頭が上がりません。皆さん本当に毎日休まず、お疲れさまです…。あなたたちの頑張りのおかげで子どもたちは健やかに元気に育ち、安心安全に生きていられます。誇れることだと思います。

今も全国で我が家と同じように、もしかしたらもっと過酷な状況で自宅待機をされている子育て家庭があると思うと苦しくなります。ただでさえ育児は孤独を抱えて塞ぎがちになるのに、さらに世間と断絶されてしまい、感染の不安も抱えながら耐え忍んで過ごすのはとても辛いと思います。一刻も早くコロナが収束を迎え、家族みんなでいつでも、どこにでも出かけられる毎日が帰ってくるのを願わずにはいられません。

・最後にちょっと親ばかの話をすみません。

夫が自宅療養中、直接会わないようにしていましたが、LINEで通話はよくしていました。その際、子どもたちの様子を見せようとビデオ通話を使っていました。一旦通話を終えると、長男が廊下に行けるドアを指差しました。長男はまだおしゃべりが上手じゃないので、喃語や身振り手振り中心で意思を伝えてきます。

私「お父さん会いたいの?」

長男「(頷く)」

私「(普段しないのに頷くとか珍しい行動を取ったな!)そっか、お父さんに会いたいんだね。でもごめんね、お父さんお熱が出てるから今は会えないんだ。元気になったら会えるから、今は待ってようね。」

長男「(しょぼん)」

私このやり取りしたとき泣いてしまったんですけど、どうでしょうか、伝わってほしいこの健気な感じ。この長男の反応がいじらしくて、またビデオ通話で夫の顔を見せると余計寂しい思いをさせるかもしれないなと思い、夫が自宅療養中での通話は音声のみにしました。宿泊療養になってからはビデオ通話を使いました。長男は長男で、お父さんが大好きなんだなあと思うと可愛くて可愛くてもうずっと仲良くしててほしいなあと思ったのでありました。

以上です。ありがとうございました。

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