【随想】お絵描きAIとそれに伴ういくつかの問題

※ツイートのまとめです。

例のお絵描きAIひと通り遊んでみたけど、頑張れば相当思った通りには描けるっぽい。

ただこれは前も言ったけどAIは特定のキャラを描こうと思って描いてないから微妙に違うところが出てきてしまうし(特徴的な髪型とかはかなり難しい)、そこでキャラの同一性を自分の中でどう担保するかが問題になってくる。

銃を構えている錦木千束を正確に描いてくれといったときにその通りに描けるというのは現時点ではかなり難しいと思う。これはそのうちクリアできるんだろうか。

この「どこか違う」の壁を越えるのは相当難しいと思う。特に人気のあるキャラだけを正確に学習させるとかそういうことは可能なんだろか。

ロボットは人間に近づくほど不気味に見えるんだっけか。似たようなことがAIイラストにも起こってる気がしなくもない。

こう考えると作者が「〇〇を描きました!」って言ってくれることの意味は大きい気がする。作者と作品は切り離せというけど、こと二次創作に関しては作者が何を描こうとして描いたかは受け手の認識にとっても重要度が高い気がする。

だって作者がとりあえずそう言ってくれればそのキャラだって思いながら見れるもんな。AIにはその担保がない。これは大きな違いじゃないか。

あくまで「自分の中で」のキャラの同一性の話なんだけど。AI作のキャラを特定のキャラと自分で思えるなら問題ない。でも本当に思える?

現状、AIは錦木千束に似たキャラは描けても錦木千束は描けないというのが自分の認識。この溝を越えられるかがこれからのAIお絵描き技術の見どころかなーと思う。


(長い補足)
後でピクシブで調べてみたところ、自分では作れなかっただけでキャラによっては相当に近いところまで描けるようになってるっぽい。
沢山の人が描かせてる(学習させてる)キャラほど正確に描けるということだろうか。
初音ミクさんの髪飾りの形とかどうやって学習させたんだろう。
AIは不思議でいっぱいである。

キャラの同一性の問題は案外ほとんどクリアされてるのかもしれない。
あとは「AIであること」を意識するかしないかの問題だろうか。
ただ、あるイラストレーターの方が言っていたけれども、我々は「誰が描いているか」で絵を見たり買ったりしているのであって、絵が上手ければ誰でもいいというわけではないらしい。
つまり作者が誰かというのはブランドと同じということだ。
それは確かにその通りである。自分だって特定の人が描いてるからブクマしたり同人誌を買ったりする。AIが作っていると思ったら同じことをしないだろう。
そう考えると、作者と作品というのは切り離せないものなのかもしれない。

AIが作った作品を受け手側がどのように受け取るか、というのは一筋縄ではいかなさそうだ。
これはイラストに限らず文章でも同じことが起こっている。AIは既に小説を書けるくらいには文章を書けるようになっているようだが、面白ければAIでもいいと考えるだろうか、というと、多分考えない。
やっぱり好きな作家が書く文章だからこそ読みたいと思うし、好きになるのである。
AIを作っている人は納得しないかもしれないが、この壁をAIがそう簡単に乗り越えられるとは思えない。

ただし、そのうちAIにも色んな種類が出てくるだろうし、このAIが描く絵は素晴らしいとかそういうことは出てくるかもしれない。
もしくは、この人はAIを駆使して素晴らしい絵を描くAI絵師だ、とか。
未来のことは分からないが、これからどう展開していくのか気になる事柄である。

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