見出し画像

マリッジブルー

「一緒にいたいんだ‼︎結婚しよう。」彼は遂に私の欲しかった言葉を言ってくれた。勿論嬉しかった。
「私もあなたと結婚したい。でも、正直なところ、フランスで住むのはかなり不安だわ…。私はそんなにフランス語も堪能じゃないしね。」
私の彼氏はフランス人だ。共通の友人を通じて知り合った。知り合ったばかりの頃、私が話せる外国語は英語だけだった。フランス語はと言えば、ボンジュールやれメルシーだけだった。彼の方も、日本語も英語も話さなかったのだ。つまり、私達の間には共通の言語がなかったのだ。私は努力した。そして、ゼロから始めたフランス語学習は楽しいものだった。
今ではかなり会話らしくなってきてはいるが、まだまだ二人の会話は辿々しい。稚拙な表現が目立つ。
「結婚となると、うまく行くだろうか?それに、フランスに住むなんて、自信がないわ。」彼は仕事の関係で日本に来ていて、同じく仕事の関係でフランスに帰るのだ。つまり、一緒に来て欲しいというわけだ。
少し考えて、私は彼に、ジルに「結婚しましょう。私、あなたにツイテイクワ。」と伝えた。
南フランス、Nîmes。そこが私の行くべき場所だった。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?