夢の中
夢の中にどんとが出て来た。
明け方の目が覚めそうな頃、どんとが現れてこう言った。
「最近歌ってくれなくて淋しい。カーニバルを歌って」と。
その日はどんとさんの命日の6日前だった。だからかな?と思いながら、夜にひとりで「カーニバル」を歌った。その翌日にその夢をSNSに投稿したら、友人が「昨日カラオケでカーニバル歌ったよ!」と言って驚いていた。不思議!! でも、どんとさんの夢はいつも何だか不思議なのだ。
今まで私の夢の中にどんとは4回出てきた。ぜんぶ面白くて何だか不思議な夢なので、忘れない為にも書いておきたい。
最初に夢の中にどんとが出てきたのは今から15年前くらいのこと。奈良の吉野で節分に行われた「鬼火の祭典」というお祭りがあり、そこでどんとの奥様の小嶋さちほさんが奉納芸能をするお手伝いをした。その少し前にどんとが夢に出てきたのだ。
暗い洞窟の中に私はひとりでいた。
そして何故か、その洞窟の中でひとりで歌わないといけないシチュエーションになっていた。私は思った「こんなところでひとりで歌っても、誰も聴いてないし恥ずかしくてみじめなだけだ」と。「嫌だ嫌だ。何でこんなところで歌わないといけないんだ!」とうずくまっていると、ふわぁっとどんとが現れた。うずくまる私に「観ていてご覧」と言って、どんとは歌い出した。
どんとが歌うと小さな洞窟だと思っていた場所が明るくなり、意外と広い洞窟だとわかった。そしてどこに居たのかわからないような人数の人たちがたくさん集まってきてどんとの歌を聴いた。どんとは歌い終わると私にこういった。「小さくても心を込めて歌えば届くから、歌ってごらん」
そう言ってどんとは消えていった。
そして、その次の年に今度はこんな夢を観た。
どこかの中学校の体育館みたいな場所に私がいる。
やっぱりここでも何故か私は舞台に立たないといけないシチュエーションになっていた。そしてまたしても、舞台に立ちたくないとうずくまっていた。
その様子を、当時学んでいたヒーリングマッサージの師匠とどんとが眺めていて、どんとが私にこう言った。
「真面目なのもいいけど、ユーモアが大切だよ!」
不思議だったのは、このふたつの夢は私がまだギターを手にしていない頃に見た夢だった。この夢を見た翌年に私はギターを手にした。
そこからしばらくどんとは夢に出てこなかった。だけど突然また夢に出てきた。恐らくギターを弾き始めて5年経った頃なんじゃないかな。
荒野のような何もない土地でボ・ガンボスがライブをやっていた。野外フェスのようだった。大きな観覧車みたいなオブジェもあって大掛かりなサーカスみたいなライブだった。私はお客さんで楽しくライブを観ていた。ライブが終わってから、何故かどんと一行と私は合流して一緒にご飯を食べていた。どんとの話を楽しく聴いていると、急にどんとが私に言った。
「峰ちゃんも一緒に旅に出よう」
そして、先日の「カーニバルを歌って」という夢。
どんとの夢はいつも不思議。夢の中で言われたどんとの言葉は何故かずっと頭にも心にも残っている。
何か密かにずっと私を見ていてくれるみたい。
もしかしたら、どんとは私のファンなのではないですか?
そんな都合のいいことを半分本気で信じている。