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あらすじのない読書感想「透明な夜の香り」

こんばんは。
やっぱり年の初めにはnote毎週書くぞ、って思うので始めてみました。
最近、いろんなところにちょっとずつ散らばって書いていてどこに何を書こうかまとめたい気持ち。
noteにはとりあえずいろんな切り口からの普段考えていることを書こうかと。
何事も継続が大事ですし、気持ちをオープンに意識せずに書ける気がしております。

「透明な夜の香り」千早茜

読んでいて久しぶりにこの世界がなくなることが寂しくなった。もっとこの小説の世界に入っていたいと思った。
続編が出ているので、まだ1/3くらいのところで書店に行くけれど文庫化されておらず別の本を購入してしまったけれど。(文庫がすきです。)

私が好きな小説の題材は 「ホテル、アジア(旅行)、アート(アーティスト)、食事、香り、目に見えないもの」。
大事なことは「終わり方」だと思う。
ジャンルは多岐に渡っていてミステリーも好んで読むけれど、積み上げたわくわくを結果が裏切るような、終わり方が残念なものが苦手です。
人間関係でもなんでも終わりを大切にしたいと思う、終わりよければすべてよし、と思うのはそれは完全に忘れてしまうから。
思い出は印象だけ。
体当たりで愛し切って終わりたいって思っちゃう。(何の話)

この小説の題材は香り。
千早さんの他の作品からも分かるけれど食事の描写が秀逸で、いろんなところからこちらの感覚を刺激してくれる。

終わり方については、希望を与える終わり方であったのもとても好ましかった。
まだ世界が続いていくんだという嬉しい余韻。
わくわくを超えてくる安心感。

アーティストと呼ばれる人々は選ばれた人だと思う。
世界にある目に見ないsomethingが見えていて(繋がっていて?)独自の方法で表現している。
繋がっていることが大事で千早さんもたぶんそうなんだと思う。
言葉や文章というツールで表現する世界。それを以てして尚、目に見えない方法で理解させるというめちゃくちゃ高度な技を見せてくれる小説家なのだと思う。

言葉では表せないsomethingを探している最中に、もう少しで掴めそうな感覚。
今、結構重要な局面に来ていて降りてくる瞬間を待ち侘びている。
そんな後味の小説でした。
とても素晴らしい!ということ。

おわり




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