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Willem Kuyken氏インタビュー(5)MBCT-Lと、MBSR、MBCT-Dの違いについて教えてください。

Kuyken博士へのインタビュー5本目です。4本目はこちらより。

今回は、MBCT for Life(マインドフルネス認知療法)が、MBSR(マインドフルネスストレス低減法)やMBCT for Depression(うつのためのマインドフルネス認知療法)とどのように違うのかについてお伺いしました。

Kuyken氏:

MBCT for Lifeが用いているのは、とても幅広い理論的なフレームワークで、これは「注意」に関連しています。脱中心化や自己制御の能力に関する理論といったもので、これは、自分の内なる刺激に上手に対応し、自動反応しないことに関することです。この理論的な枠組みは、とても広範な心理学上の理論に基づいており、同時に、古代の智慧、中でも仏教心理学にも基づいています。

これら2つのものが組み合わさったそのような理論モデルは、私が、ここ数年かけて著してきたことで、それはChristina Feldmanとの共著である”Mindfulness ancient wisdom meets modern psychology”という本になりました。これが拠っている理論は、心理学と、仏教心理学で、それによってMBCT for Lifeは成り立っています。

MBCT for Depressionが拠っている理論は、認知行動に関するもので、気分の落ち込みを再発させるものが何かということについての理解です。

私の考えるMBSRとの違いについては、本や論文で書いています。この論文は、Rebecca Craneを始め、多くの人と書きました。Jon Kabzt ZinnやMark Williamsやその他の方々も関わっています。これは”What defines a mindfulness based intervention to warp and the weft”という論文です。

ここで私達は、どのマインドフルネスプログラムにも共通な要素は何かということについて議論をしています。そこでは、心の普遍的なモデルについてのアイデアを提示し、それが拠っているのは、仏教心理学、Jon Kabat Zinnの言葉でいうとダルマです。これは、これらのプログラム全てに共通です。また、瞑想の技術やマインドフルネスのスキルもこれらのマインドフルネスプログラムの全てに共通しています。ここには、MBCT for Depression、MBCT for Life、MBSRも含まれます。

その中で、MBCT for Lifeが他と違うのは心理学の理論の用い方だと思います。これははっきりしていて、心理学の理論を用い、いま自分が行っていることを認識させることとに加え、認知行動療法と心理学的なテクニックも用いることで、人々が幸福度を高められるようなカリキュラムになっています。それはBarbara FredricksonのThe broaden-and-build理論のアイデアであり、また、よりシンプルな心理学的な考えを用いることで幸福度を向上させるといいうように、主要な流れに基づいています。

そういうわけで、私が考えるに、ご質問に対する答えは、ある程度、科学的または研究的な問いでもあります。どのグループの人に、どのような環境下で、どのカリキュラムがもっとも適しているのか。追加のカリキュラムが必要では無いのか。私はこれらのカリキュラムが作用するメカニズムについて説明してきました。このカリキュラムはこういったグループでもっと受け入れられて効果が出るのではないか、これはこのような場面で、このようなグループに効果があるのではないか。

私が思うに、これらは、全て研究上のテーマであり、まだはっきりとした答えは得られていません。今後、50年間というような時間をかけて、これらの問に対する答えがわかってくるでしょう。

MBCT for Life 8週間コース
月曜夜コース 3月22日(月)スタート
土曜午前コース 4月3日(土)スタート

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