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MBSR講師養成講座開講までの道のり

4月にモジュール1をスタートした今回のMBSR講師養成講座がどこから始まり、モジュール1にいたるまでどのような準備を行った来たかを振り返りました。

1.ここから始まった

当International Mindfulness Center Japanの代表の井上は、カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)にてマインドフルネス認知療法(MBCT)のCertified Teacherの資格を取得する傍ら、Oxford Mindfulness Centerのプログラムや国際的なカンファランスに出席し、マインドフルネスの学びを続けていました。その中で出会ったマインドフルネスに基づくコンパッションのトレーニング(MBCL)の講師養成プログラムをイギリスで受講した際、その指導を行っていただいたMBCLの開発者の一人、Erik van den Brink博士より、IMAの代表であるLinda Lehrhaupt氏を紹介されました。その後、Linda氏と、今回のプログラムマネージャーであるIngrid氏とZoomでのミーティングを行い、日本でのMBSR講師養成コース開催について検討を行うことになりました。様々な検討を行った結果、まずは2021年4月より、日本でMBSR8週間コースを開講することから始めることとなりました。

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2.IMAと連携して行った初めてのMBSRコース

2021年4月、プログラムマネージャーであるIngrid氏自ら、MBSR8週間コースを開講しました。通訳を交えたクラスは、言語を超えて生じるMBSRの持つ普遍的な力を感じる8週間となりました。その後、今回の講師養成プログラムで指導を頂いている、Amir先生や、6月の第2モジュールのRene先生に、継続してMBSRコースを提供いただいています。

この先生方のクラスを受講した方の中から、多くの方が第1期、第2期にご参加頂いています。この8週間コースを通じ、文化や言語を超えて、MBSRの学びを共有するための準備を着実に進めてきました。事務局としても、オンラインで海外の先生方と受講者の皆さんをどう結び、そして、どのようにサポートするかについて多くの学びがありました。その学びは、現在スタートしている第1期でも生かされています。

IMAと連携したMBSRコースはそれ以降も継続し、2021年6月開講クラス(Rene先生)で7講座目となります。

3.募集開始から開始まで

2021年9月に講師養成講座のオリエンテーションを実施したところ、多くの方にご参加いただきました。そのような状況ではありながら、10月の募集開始時には、実際に受講を希望する方がどのくらいいるのだろうかという思いもありました。この講師養成トレーニングは、費用の点でも、費やす時間の点でも、覚悟が必要なプログラムです。何日間かのクラスで講師資格が取れるというものではなく、各モジュール間にも継続した学びが必要であり、受講者一人ひとりの毎日の瞑想練習も求められます。

しかし、募集を開始すると、予想以上に皆様の関心が高く、職業柄大変お忙しいであろう方々も含め、多くの方に応募いただき、科学的エビデンスに基づくマインドフルネスに対する皆さんの期待の大きさを大いに感じました。

事前の準備として、IMA側から繰り返し言われていたのは、「受講者の皆さんに自分自身の練習にしっかり取り組んでもらうようにしてください」ということです。受講者の皆さんとの事前面談でも、毎日30-45分は練習を行い、かつ可能な限り経験豊かな先生について瞑想練習を深めていただくことをお願いしました。瞑想は個人の頭の中での活動であり、その方向がズレていたとしても外からは分かりづらいものです。そこに先生や一緒に学ぶ仲間がいると、それが修正されやすくなります。そして、私自身も経験がありますが、同じところを堂々巡りすることもよくあります。瞑想経験を先生や仲間とシェアすることで、その堂々巡りを抜け出ることも度々あります。安全性や、モチベーションの観点からもグループで学ぶことはとても意味があることだと思います。

(当センターではStudy Groupとして、講師養成で指導をいただく先生方のセッション、ゲスト講師セッション、毎朝の早朝瞑想会など、MBSR/MBCTスタイルを中心とした瞑想実践を行っています)

この講師養成プログラムでは、受講を決めた方が、モジュール1開講までの間も、練習を継続できるよう、受講者の皆さん同士でコミュニケーションを取りながら、サポートをしあうことにしました。1グループ5人で、練習での困りごとを気軽に相談したり、日常における気づきを共有する場を作りました。このグループは練習の相互サポートはもちろん、先々、受講者の皆さんどうしのコミュニティを形成していく上でも重要な役割を果たします。これらを機能させるため、オンライン上でも交流できる場を作っています。

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※オンラインプラットフォームの様子。(グループは動物名で表記)

こうした受講開始前からの準備(&モジュール間のコミュニケーション)が可能なのは、コースの最初から最後まで同じメンバーで行うコホート形式である、ということが大きな理由です。通常、海外の多くのプログラムは、モジュールごとに出入り自由なスタイルになっています。このメリットは、各自スケジュール調整がしやすいことです。同じモジュールが年間で何回か開催されており、自分のあうタイミングで参加することができるからです。一方、そのために参加するモジュールごとに受講者が異なり、継続してコミュニティを形成しづらいという難点もあります。また、同じ理由でモジュール間でお互いにサポートし合いながら学ぶということが難しいのが現状です。今回、IMA/IMCJで提供するコースは、完全コホート制で、1年半(応募時からの事前準備を入れると少なくとも2年)をともに同じメンバーで継続して学び、理解を深め、そして一生を通じてともに学ぶ仲間と出会う機会になります。これは何者にも代えがたい、宝になります。

参加者の皆さんは、年齢や職業、住むところをを超え、オンラインも活用しながら、交流を深めていっています。
(第1期は年齢は60代〜30代、職業は、医師、看護師、心理士、主婦、助産師、僧侶、ドラマセラピスト、企業研修講師、ヨガ講師、行政関係者、大学教員など、地域としては北海道から沖縄まで、幅広い方々が参加されています)

4.そしてこれから

事務局としても、今回が日本初のMBSRの講師養成講座の日本開催ということで、さまざまな準備を行ってきました。テキストの翻訳や、コロナの影響による日程調整(対面/オンラインのフォーマットの調整など)、先々のトレーニングのありかたを整えることなど、IMA側と連絡をとり、日本開催にむけ、準備を整えました。

皆様のご支援もあり、どうにかモジュール1を開催できたことをとても嬉しく思っています。受講者の皆さんの学びのために改善すべき点はまだまだたくさんありますが、様々な方の力をお借りしながら、引き続き進めていきたいと思います。

4月のモジュール1を終え、受講者の皆さんは、6月のモジュール2に向け、早速ピアグループ内で課題図書の読み込みや、ボディスキャン、レーズンエクサイズの練習などを進めていただいています。オンラインプラットフォーム上での講師の先生への質問も頂いています(ボディスキャンの言葉遣いやフレーズなどについて)。そして、もちろん、MBSRの8週間コースを受講していたときのように、毎日の自分自身の練習を行うことも求められます。講師になるということは、それなりの覚悟とコミットメントが必要とされるものであり、また同時に、その取り組む意欲があるならば、事務局としても十分なサポートをしていきたいと考えています。


最後までご覧いただきありがとうございます。一緒にマインドフルネスを深めていきましょう。お気軽にご連絡下さい!