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小学5年生が理解する「誤り訂正符号」(デジタル社会を支えるテクノロジー:誤り訂正符号って何?その35)

私:「『連接符号(れんせつふごう)』は、前に紹介した『積符号』にも似てるけど少し違う。」

息子:「何が違うの?」

私:「『積符号』の場合は横に並べる『誤り訂正符号』と、縦に並べる『誤り訂正符号』のどちらも同じ『有限体』GF(2)で表されていたのに対して、『連接符号』では横(または縦)に並べる『誤り訂正符号』を表す『有限体』がGF(2^8)などの『有限体』GF(2)の『拡大体』で、縦(または横)に並べる『誤り訂正符号』はGF(2)で表される。ここで肝心なのは、横(または縦)に並べる『拡大体』GF(2 ^8)で表される『誤り訂正符号』を先に作る、つまり『符号化』した後に、そのGF(2 ^8)で表される『符号語』の成分それぞれを縦(または横)に並べて『基礎体(きそたい)』GF(2)で表される『誤り訂正符号』で『符号化』する、ことだ。『連接符号』では、先に作る『拡大体』で表される『誤り訂正符号』を『外符号(そとふごう)』と言い、後で作る『基礎体』で表される『誤り訂正符号』を『内符号(ないふごう)』と言う。」

息子:「面白いやり方だね。」

私:「そうだね。面白いだけじゃなくて、簡単な『誤り訂正符号』の組み合わせで、誤り訂正能力の高い『誤り訂正符号』が作れるんだ。実際の現実の世界でも凄く役に立つ『誤り訂正符号』で、『誤り訂正符号』が実用化された初期の頃は人工衛星との通信で使われていたんだ。そして、今でもタクムが毎日観てる地上波デジタルテレビ放送でも使われている。」

息子:「『リード・ソロモン符号』を使うって言ってたから、『外符号』が『リード・ソロモン符号』なの?じゃあ、『内符号』は何なの?」

私:「人工衛星との通信も、地上波デジタルテレビ放送でも『連接符号』の『外符号』は『リード・ソロモン符号』で、『内符号』は『畳込み符号(たたみこみふごう)』と呼ばれる『誤り訂正符号』を使っている。」

息子:「『畳込み符号』?何か和風の名前だね。」

私:「確かにこかまで出てきた『誤り訂正符号』は外国の人の名前のものが多かったから、そう感じるね。違いは名前だけじゃなくて、『誤り訂正符号』の作り方も違うんだ。これまで紹介した『誤り訂正符号』は全て『ブロック符号』と呼ばれる『誤り訂正符号』に分類されるのに対して、『畳込み符号』は『木符号(きふごう)』と呼ばれる『誤り訂正符号』に分類されるんだ。次回、その違いについて見ていこうか。」

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