翼に穴を開けても飛行機は飛べるだろうか
わが家の近所には羽に穴が開いたカラスがいる。たしか右側の羽だったと思う。2年ほどまえに気が付いた。ときどき見かけるので、しっかりとこの辺りの生き物コミュニティの一員だ。今日も久しぶりに飛んでいた。
どういう事情でそうなってしまったのかはわからないが、羽の中央に横幅(進行方向前後の幅)3分の1ほどの直径の穴が開いていて、誰が見てもわかる。ところが、飛ぶうえでまったく問題ないらしい。
そこでふと思った。
人間は飛行機を設計するときに、鳥を参考にしただろう。普通、鳥の翼に穴は開いていないので、飛行機の翼に穴を開ける設計は思いつかなかっただろう。むしろ直観に反する。だからその後も真剣に検討されなかったかもしれない。
でも、羽に穴の開いたカラスが何の問題もなく飛んで生き抜いているのなら、飛行機もじつは翼に穴を開けても大丈夫かもしれない。貨物輸送機や戦闘機はわからないが、カラスの体型に似た旅客機あたりならどうだろう。
もし翼の内側に重要なものがないなら、翼に穴を開けると使う金属の量が減って機体が軽量化できそうだ。一つと言わず、いくつか穴を開けると、穴あき包丁に似た翼のデザインになるだろうか。初めて実物を見ると仰天しそうだけれども、登場したときに直観に反していて仰天したものは他にもたくさんあったと思う。
もちろん、航空力学も何も知らない人間が、カラスを見て思っただけだ。
◆◆◆