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【マインドフルネス入門講座】〜心と身体を調える気づきの科学〜

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健康や幸福感を高めるとして、ビジネスや医療など様々な分野で取り組みがすすむマインドフルネス。今では、ストレス軽減や集中力の向上など、様々な効果が実証されています。 ​このマインド… もっと読む
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#セルフコンパッション

​Week 4-5 優しい気づきへの5つのステップ

そもそも人間はネガティブなことに敏感になるように作られています。 ですから、ハートフルに自分の中の優しさや、温かい部分を見つけるためには、意図的にプラクティスして養成していかなくてはならないのです。 そのための、5つのステップによるケアを紹介します。 ①観る:マインドフルに今ここに注意を向け、身体や心がどのような感じ方をしているかに気づく(マインドフルネス) ②認識する:自分が今経験していることを知る。例えば:緊張、疲れ、怒り、不快、悲しみ、戸惑い、心配など。ラベリン

Week 4-6 自分をあたたかく見つめる(セルフコンパッション)

優しさや、思いやりを自分自身に向けて自分自身をあたたかく受け入れていくことをセルフコンパッション(自分への思いやり)といいます。 コンパッション(慈しみ、思いやり)の気持ちを「自分に向ける」セルフコンパッションという行いは、人によっては、実は、初めての経験で、新鮮さや、違和感を感じることがあるかもしれません。 セルフコンパッションは、限界や失意、困難に直面した時に、自分に対して優しさや労りに基づいた対応をする能力のことをいいます。 私たちは「○○でなければならない、○○

Week 5-1 人との関わり

次のような機内放送を耳にしたことがある方はいらっしゃいますか? 「緊急時に酸素マスクが下りてまいります。まずご自分のマスクを確保してから隣のお席の方の援助をお願いいたします。」 恐らく皆さん聞き覚えがあるのではないかと思います。 これは「自分のケアを優先する」一例といえますが、この原則はマインドフルネスのプラクティスにもあてはまります。 マインドフルネスを初めて学ぼうとする人は、まず、自分自身にマインドフルになることから始めてみましょう。 まず、自分の考え、感情、習

Week 5-2 「聞く」というアート(マインドフルリスニング)

マインドフルネスは「自分や周囲の事柄に注意を注ぐ能力を高める」ことは既にみなさんご存知ですね。 それでは今日は、その注意を「聞く」「聴く」というチャンネルに合わせていきたいと思います。 他人との関係やつながりを深めることのできる資質を持つ人を”聞き上手”といいます。 「聞く」スキルが高まると、他人の経験、考え、そして価値を理解することができます。 あなたが心から何かを伝えなければならなかった時のことを思い出してみてください。 そして、静かに、深く、心から聞いてくれた

Week 5-3 共感する脳

「マインドフルネスは自分への気づきを高め、他人をより思いやることができるようになる。」といわれています。 現在の研究で、この理論は脳の変化によるものと説明がつく段階にきています。 Tania Singer氏は、自分の思いを理解することと他人への慈悲(コンパッション)の関係について極めて重要な研究結果を挙げました。 科学的研究結果のレビュー記事からの抜粋です。 『初期の研究結果から、感情の可塑性と脳のシステムの変化の関係を長期に渡って追跡することで極めて画期的な結果を得

Week 5-6 慈悲を養う(コンパッション)

「私の人生にあって欲しいものはコンパッション。それは、心からお互いに与え合うことによって、私とその人の間に流れるもの。」                  〜マーシャル・ローゼンバーグ〜 私たち人間は、暖かい心の流れを感じることが可能な生き物です。 なぜなら、喜びや苦しみの両方を分かち合うことができるからです。 誰かの成功を祝福したり、友情を喜んだりすることで、絆が生まれ、人生がもたらしてくる困難に直面した時の強さを与えてくれます。 病気になったり、傷ついたり、悲し

Week 6-1 脳が変化する

マインドフルネスを少し積み重ねるだけで脳に大きな変化がもたらされます。 マインドフルネスを短期間行った効果についての研究結果が報告されています。(Tang, 2007) 研究者らは、無作為に選び出した生徒に対して1日20分のマインドフルネスプラクティスを行いました。コントロールグループ(対照群)と比べて、プラクティスを行った生徒は、葛藤の解決など脳の注意統合機能(executive attention)の向上が見られた他、気分やエネルギー(やる気)に関わるポイントが上昇し

Week 6-4 マインドフルネスと明晰さ

マインドフルネスを続けていると、「明晰さ(clarity)」 を得ることができます。 注意を今ここに向けることで、感情に縛られた余計な思考や感情から解き放たれ、現実に光が当たり、見えているものが、よりはっきりと見えてきます。 感覚的には、画素数が少ない写真と画素数が多くきめ細やかな写真の違いぐらいに、現実の見え方が変わったと言う方もいます。 水をのぞき込んでください、水は透き通っていて、綺麗な水です。 その、水の底には、自分の真の心が存在します。 しかし、水面には、