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【経済本100冊】Vol.84:『なぜ韓国企業は世界で勝てるのか』(著:金美徳)のあらすじ

経済本100冊読破タイトル作成

こんにちは!メンタルブロック解除人こと心理カウンセラーの大和です。
こちらでは、「数字に疎い心理オタクが、経済関連の本を100冊読むとどうなるか?」と言う企画で、読破した経済関連の本を紹介して行きます。
既に経済に詳しい方もそうでない方も、今後の本選びの参考にして頂ければと思います。


今回ご紹介するのは、金美徳さんの『なぜ韓国企業は世界で勝てるのか』です。

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基本情報

タイトル:なぜ韓国企業は世界で勝てるのか
著者名:金美徳
初版発行年月:2011年12月
ページ数(大体):約290pg
難易度所感〈五段階〉:★★★ ほどよい


大和の適当あらすじ

韓国企業の強みと弱みを分析する本。

全体の感想

タイトルから韓国礼賛本のような印象を受けますが、必ずしもそうでは無く、韓国企業の強みと弱みをきっちり冷静に分析している本です。著者名からしても、韓国国籍の人なのかなぁと思ったら、プロフィール見たら、普通に兵庫県生まれの、早稲田大学院を出ている人でした。

一言で言うなら、韓国企業の強みは選択と集中と、オーナー経営者による独裁経営です。それによって急速に力強く発展はしたものの、一方で事業分野的に偏りが大きいので、そこが、カリスマこそないものの事業分野の裾野は広いと言う日本企業と良いコントラストを成していると思います。

韓国企業が半導体や液晶・携帯の市場を席捲していると報道されても、自虐することは無く、韓国企業の強みの裏にある弱みを把握して、じゃあ日本はここを攻めればいいなと思えるような余裕を持ちたいものですね。


大和の学びポイント


< 学びポイントまとめ >


★韓流マーケティングの四段階
★サムスン財閥の日本進出と撤退
★サムスン財閥の敗因は機能と価格がアンバランスだったこと
★サムスン財閥の事業の特徴
★サムスン財閥の成功と問題点
★選択と集中で果敢に投資する韓国企業
★韓国企業の強みはオーナー経営者
★韓国はハードは強いがソフトには弱い
★ハードの部品を多く輸入する韓国企業
★韓国の新興国市場での強みはデザイン


< 各詳細 >


★韓流マーケティングの四段階
・・・「韓流マーケティング」とは、先ずは映画・ドラマ・オンラインゲーム等のソフトを売って韓流ファンを作り、その後、携帯電話や家電等のハードを売ると言うものである。サムスン経済研究所は、これを四段階に分けて説明している。第一段階は、音楽やドラマに触れてスターを好きになる。第二段階は、DVD等を購入する。第三段階は、家電や生活用品等韓国製品を選び始める。第四段階は、韓国そのもののファンになると言う。韓流マーケティングは、アジア、とりわけ台湾、ベトナム、タイ、中国では第三段階に入り、第四段階の手前まて来ている。一方日本では第三段階を中々突破できずにいたが、ようやく第三段階まで漕ぎ着けた所である。


★サムスン財閥の日本進出と撤退
・・・資産総額順位で韓国財閥第一位のサムスン財閥は、世界最大級の総合家電・電子メーカーとして確固たる地位を築いている。そのサムスン財閥の日本への進出は1953年と早く、1998年から本格的に日本の白物家電に参入したが、2000年頃には、収益が見込めないと判断して白物家電の販売から手を引く一方、薄型テレビやAV機器に注力する戦略転換を試みた。それでも一向にサムスン製品は日本市場に浸透しなかったので、2007年に撤退を余儀なくされている

★サムスン財閥の敗因は機能と価格がアンバランスだったこと
・・・2007年頃のサムスン財閥の日本市場での敗因の一つは、高価格戦略である。例えば液晶テレビは、どう見ても機能が日本メーカーよりも劣るにも関わらず、値付けを高くしたことである。「韓国ブランド=低品質・低価格」と言うイメージを払拭したかったのかも知れないが、却って「韓国製品は機能と価格がアンバランス」と言う悪いイメージを与える結果となってしまった。もう一つは、巻き返しを図ろうと焦ったのか、真逆の低価格戦略も展開したことである。日本の消費者は商品価値と価格のバランスには敏感なので、リーズナブルなものに対してはそれなりの評価をした筈である。


★サムスン財閥の事業の特徴
・・・サムスン財閥の事業分野は、総合家電や電子を中心としながら金融関連、機械関連、化学関連、商社、観光事業、財団に及ぶ。系列会社は63社で、海外現地法人200社、総社員数27万人。2010年の財閥総売上高は、260兆ウォン(20兆円)である。この内海外売上高比率が87%に上る。経営戦略の特徴は、李健熙会長が、93年時点でデジタル時代を予見し、壮絶な経営構造改革を断行したことと、97年アジア通貨危機の教訓から、強烈なトップダウンとリーダーシップを発揮したことに尽きる


★サムスン財閥の成功と問題点
・・・サムスン財閥では李健熙会長による経営構造改革の結果、以下5点を行った。①半導体・通信・液晶に選択と集中、②大胆且つスピーディーな経営判断、③日本の経営・技術に対する徹底研究と改善、④優秀な人材とR&D(研究開発)に対する果敢な投資、⑤コスト競争力の向上と製品力の差別化・・・である。一方、経営上の問題は以下3点である。①トップダウンによる組織の形骸化、②経営幹部層の人材難と過酷な社内競争による高い離職率、③同族経営の弊害によるコーポレートガバナンスの不透明さ・・・である。


これより先は有料コンテンツとなります。価格は200円と、週刊少年誌よりも安く変える値段ですので、更にサクッと学びを深めたい方は是非ご購入下さい。


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