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「掛け算の順番問題」と「ゲームモデル,ゲーム戦術」の関係

「バレーボール1 Advent Calendar 2020」という企画で今年も記事を書きます.

12/25 の最終日が担当ということもあり,アドベントカレンダーの最初の記事(12/1)と関連したお話をしようと思います.


掛け算の順番問題

ちまたでは,算数で「掛け算の順番を強要する」という問題があるようです.下記から引用しますと...

「6人に4個ずつミカンを配ると、ミカンは何個必要ですか?」を6×4=24で24個と答えると、間違いだと言われるのだ。
小学校では、かけ算は「1つ分の数×いくつ分」の順番で書かないとマルにならないのだ。
つまり4×6=24が正解。
納得がいかない人も多いだろう。

ということのようです.私も納得は行きませんが,何故,これがアカンのかについて自分なりに考えてみたいと思います.

ゲームモデル,チーム戦術

サッカーやバレーボールなどチームで実施されるボールゲームの世界では,ゲームモデル,チーム戦術,...,などチームで戦うための共通概念,共通認識(抽象化概念)が必要とされます.ゲームモデル,チーム戦術は,「コレ!」って決まったものはなく,各チームで決めればいいものです.ただ,同じチームのメンバーは,同じ概念を理解し実践できる必要があります.そうじゃないとチームとして戦えません.個人の「やりたいこと」は様々なので,この共通概念を見出すのは,なかなかに簡単なことではありません.全員が相互承認してもらわないと成り立たないので,とても大変な作業になりますね.

昔ながらに「監督が頭ごなしに戦術を守らせる」というチームもありますが,昨今,そんなレベルでは戦えない時代になっています.チームのメンバーがしっかりと理解し,お互いに共通概念,約束事を承認しなければ,迷いなく戦えないのでプレイヤーのトップパフォーマンスを引き出すことなんてありえませんので...

「相互承認」というのが重要になってきそうですね.チームメンバーが相互承認した約束事が「標準」と呼ばれるのかもしれませんね.


有効に機能する約束事とは?

結局のところ,「掛け算の順番を強要する」...このやり方,この約束事,この戦術,...,機能するんでしょうか?

最も重要なのは,

「現実の世界」と「非現実の世界(抽象化世界,人間が作り出した道具?)」とを,しっかりと,切り分けて認識できること

だと考えてます.


「算数,数学(抽象化概念)」と「みかんの数の計算(現実の世界)」を混同して無理やり強要するのは,切り分けを認識できないので,いいことは1つもないかも...

約束事(標準)は様々なので,子供たち自身に,実際に共同作業をやらせてみて,「気分良く仕事ができる掛け算の順番」なんてものがあれば,それを話し合いの中で決めていく...なんてことが出来れば,掛け算の順番も意味があるかもしれませんね(笑)


「標準の取り得るスコープ」はいろいろです.子供の時から,いろいろなスコープで,このへんを体感できれば,とても学ぶことが多い気がします.


「掛け算の順番を無理やり守らせる」というやり方は,まあ,前時代的なスポ根のようなやり方で,そんなやり方では,算数,数学をプレーする(楽しむ)ことはできないですよね...

まとめ

体罰やら,暴力やら,スポ根やら,非科学的やら,...何かと問題にされることが多い日本のスポーツですが,「掛け算の順番を強要する」なんてことは,スポーツの世界でも,「それ,やっちゃアカンこと!」って,認識にはなってきてると思われます(笑)

※追記
多くの人が納得できない(承認できない)状態なので,約束事として破綻してますね(-_-;)


以上です.

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