【体罰撲滅???の話】
※2019年11月28日のFBに書いたものの転載です.
あくまで,個人的な見解ではありますが,これでしか良い方向に物事が進まないと考えています.少し長くなりますがお付き合いを...
まず,言っておきたいのは,「体罰を無くす」ことが目的ではないですよね???
選手,子供の「安全確保」を最優先にするお話だと思うんです.極端なことを言えば,体罰なんてど~~~でもいいです.まあ,結果として「体罰を無くすことができる」には繋がっていくとは思います(^^)
この話,解決する努力しないと,日本のスポーツは滅びると思います.それぐらいの事案であると,皆が危機感をもって自覚する必要があると思います.
では...,
バレー関係で知り合った, 午坊 健司 (Kenji Goboh) さんのシェアです.技術屋だと,こういう発想になるし,これでしか解決できないと思ってます.
https://www.facebook.com/kenji.goboh/posts/1609471299189611
こちらのコメントにも,いろいろ書いてますので読んでいただければです.
まずは,厳密に「事故」として扱う.
「事故発生の抑制」,
「事故発生時の対処整備」
「不正のトライアングル」
...「機会」,「動機」,「正当化」これを可能な限り排除する.
午坊さん曰く,
【今回のケースは「機会」も「動機」も「正当化」のいずれも発生しやすい環境。やれる対策は沢山あると思う。】
私もそう思います(^^)
人類の歴史から学べば,残念ながら,「事故」,「暴力」を無くすことはできないようです.でも,減らす努力はできるし,そのための仕組みもかなり整備されています.
では,飛行機とか,鉄道とか,船とかの事例を見てみましょう.
運輸安全委員会(事故調査委員会から改組された)
http://www.mlit.go.jp/jtsb/index.html
法整備もされています.
http://www.mlit.go.jp/jtsb/kankei.html
事故,重大インシデント(事故が発生するおそれがあると認められる事態)が発生したら,即,調査が入り,可能な限り原因を究明し,対処案を策定します.誰が責任なのかなんて後回しで,二度と事故が,過ちが起きないような努力を実施できるような仕組みになってます.航空機事故の事案と比較すれば明らかなのですが,「事故の隠蔽」なんて重大犯罪です.それやられると,事故は無くならないし,人は死に続けるし,飛行機なんて誰も利用しなくなります.航空業界そのものが滅びます.
あちこちで問題が発生した時に「第三者委員会を立ち上げろ~~~!」とか叫ばれてますが,運輸関係の事故では,自動的に,即,第三者委員会が立ち上がる仕組みが,法律で定められています.
日大のアメフトの例を見れば明らかなのですが,スポーツでの安全確保の問題(事故,暴力の問題)は,人の命に関わってきます.誰の責任とか後回しでいいので,次に起きないことが最優先だと考えてます.「事故」をゼロにはできませんが,減らす努力をしなければ,スポーツも滅びると思うんですけどね.
航空事故,鉄道事故とかと同様に,事故調査委員会を立ち上げて,二度とこういう事案が起きない手続きを粛々と実践すべきだと思います.この体制を整えられてなければ,今頃,航空業界も鉄道業界もこの世から消えていたはずです.
じゃあ,体罰問題は,どのように扱うべきか???...
まずは,公式には「体罰」は扱わない.そもそも,現段階でも「体罰」は犯罪です.企業とかで体罰を実施すれば逮捕されます.学校という環境がチェックが甘いだけです.体罰と認定されると犯罪になってしまうので隠蔽する輩もいるわけです.また,「子供の教育に体罰は必要」という固定観念があるので「正当化(いいわけ)」としても使われます.公文書から排除しましょう(^^) 他所でも書いてるのですが,下記で排除できると考えてます.
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安全確保して負荷をかけるのは「トレーニング」ですよね.
予測できないことで危険な状態になる場合は「事故」ですよね.
安全確保なんて考えずに負荷をかけるのは「暴力」ですよね.
「体罰: 精神的,肉体的に罰を与えることで(負荷をかけることで?)能力向上する」って概念,実は,そんなもの,存在しないのでは??? 安全確保して能力向上することができてるのであれば,それは「罰」ではなく,「トレーニング」なのでは???
安全確保ができてるのであれば,「トレーニング」ですし,それ以外は「事故」,「暴力」.ただ,それだけでは?
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無菌室で成長した生物は,外界に出ると,即,死にます.過保護,無負荷で,適切な負荷(ストレス)を経験せずに成長した人間は,外界に出ると,生存確率は著しく低いに決まってます.
体罰を容認してる指導者も「子供の成長に体罰は必要」と考えているだけで,「子供を危険にさらしたい」と考えてる人は皆無に近いと考えてます.「適切な負荷をかけたトレーニング」は,人が成長するのに不可欠なので,「体罰という概念,言葉」...スポーツの現場から消え去っても,何処にも問題はないと思います.
もし,「子供を危険にさらしたい」と考える人がいたとすれば,その人,そもそも,人として終わってます(^^;;)
ということで,「事故」,「安全確保」として扱えるのであれば,やれることが,沢山あると思います.
アメリカの例を見てみましょう.
NCAA(全米大学体育協会)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%A8%E7%B1%B3%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E4%BD%93%E8%82%B2%E5%8D%94%E4%BC%9A
【20世紀初頭、大学間で行われたアメリカンフットボールの競技では、試合中の衝突などによる負傷や死亡事故が起きることがあった。1905年に時の大統領セオドア・ルーズベルトは大学スポーツ関係者を招き、大学スポーツの改革を促した。】
NCAAにおける事故情報の収集・分析・活用の仕組みと日本の現状
http://www.mext.go.jp/sports/b_menu/shingi/016_index/bunkabukai002/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2018/05/29/1400474_003.pdf
「体罰」という文言が一言も出てきません(^^)
アメリカという国は,日本とは比べ物にならないくらいの,ゴリゴリの競争社会です.そんなところで競技スポーツしたら,まあ,日本とは比べ物にならないくらいの「勝利至上主義」になっちゃうことは,容易に想像できます.死亡事故が多発したので,大統領が大学スポーツ関係者に「なんとかせい!」って言われて誕生したのがNCAAです.大学スポーツとしては死活問題だったので,本気で整備したんだと思います.NCAAって,日本ではビジネス的な側面が注目されてますけど,大学スポーツのための「スポーツ安全委員会,スポーツ事故調査委員会」という機能が,最も重要な役目なんだと考えられます.
事故,重大インシデントが発生した場合に,調査委員会が,やる仕事は,
(1)現段階の科学的知見をフル活用して,発生事案の「トレーニング」,「事故」,「暴力」の分類を行う.
(2)現段階の知見をフル活用して,原因究明を行う.
(3)事故抑制の対策案を作成し,公開し,関係各所に指導する.
(4)関係各所は事故抑制の対策を実施する.
(5)資料を保存し,新たな科学的知見が発見されれば,知識をアップデートする.
...
ぐらいな感じでしょうか.責任関係は後回しで,とにかく,将来,安全が保たれるような努力をする.責任関係は,調査資料を参考にして,警察なりが後から考えればいいことです.まずは,安全確保です.「事故の隠蔽」なんて論外です.そんなことしたら,選手,子供の危険は永久に増え続けますし,競技スポーツなんて,誰もやらなくなると思われます.
アメリカには,「スポーツ庁」が存在しないので,「大統領→大学スポーツ関係者」って形ですが,日本には「スポーツ庁」が存在するので,スポーツ庁がこれを整備するのがスジかもしれませんね.
ただ,いきなり官庁を動かすのは簡単ではないので,どういうところから,まずは,攻めるかな~~~~って感じでしょうか.まあ,「スポーツ庁」を動かせるなら,それに越したことはないですけどね(^^)
問題解決にやるべきことが決まってるのであれば,あとは手段を考えていけばいいのではと(^^)
以上,長々と失礼しましたm(_._)m
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