学生時代からのテニス経験者が当たり前にやっていること 第1球 サーブ(1)

こんにちは、みんちゃろうです。

「学生時代からの経験者が当たり前にやっていること」の第一回目はやはり、全てのプレーの始まりである、サーブに焦点を当ててみましょう。

多くの社会人プレイヤーはテニススクールなどで「ダブルス」を中心にプレーをされると思いますので、私のnoteでもダブルスを中心に書いていきます。

はじめに

さて、テニスにおいてサーブが最も重要だということは言わずもがなです。どんな雑誌やどんなコーチも「サーブは相手に関わらず、自らの意思で攻撃からスタートできる唯一のショット」などとして、現代テニスにおいてもサーブは最初にして最大の攻撃手段となっています。その速度はギアの革新によって飛躍的に向上を続け、これまでの最速はアメリカのジョン・イズナー選手の253 km/hとされています。

余談ですが、人間の反応速度の限界はおよそ0.2秒であり、テニスコートの長さが23.77m、サーブが放たれてからリターン位置までボールが来るのが0.2秒だとすると、およそ430km/hのサーブを放つことができれば、サービスゲームは100%ノータッチエースだけで終わらせることが可能です。
この計算は、反応してから返球までにラグが生じないこと、つまり打ちやすいところにボールが来るという前提であり、実際にはここに回転とコースなどが加わるので、もう少し遅い(笑)サーブでも同じことが再現できると思います。

サーブ(1)

さて、ここから本題に入っていきましょう。
社会人からテニスを始める人が最初につまづき、そして基本的には(野球など投擲競技の経験がなければ)一生向上しないサーブです。
ただし、相手も社会人から始めた人の場合、ある程度サービスゲームのキープは可能かもしれません。
一方、学生時代からテニスを始めている人は違います。サーブに絶対的な信頼を置いて、力強いサーブを放ちます。社会人からテニスを始めた人と、学生時代からテニスを始めていた人の明確な違いは、まさにサーブです。
サーブが弱い、入れるので精一杯、という方は、また別の記事で技術とフィジカルの向上について書きますのでそちらをご覧になってください。

最初に書きましたが、どんな雑誌でもコーチでも、サーブは自分の意思で攻撃をスタートできる唯一のショット、と言うと思います。私も同じことを言います。

なのに、社会人からテニスを始めた多くのプレイヤーに共通するのはサーブをおろそかにしがちなことです。
学生時代からテニスをしている人は、毎日1箱以上サーブを打ちます。サーブこそが起点であり、また技術が劣化しにくいショットであるため、多くのプレイヤーがサーブを軸に組み立てます。サーブ力があって始めて、試合展開を、戦略を考えることが可能になるのです。1stサービスだけでなく、2ndサービスの質も重視します。サーブこそ社会人プレイヤーが最初に改善・強化すべきポイントです。

トス

サーブを打つためにはトスをあげる必要があります。
このトス、練習していますか?トスなんてボールを上に放るだけ、そう考えていませんか?別に上げるのが上手くいかなかったら何度でも上げなおせばいいだけ。そんな風に考えていませんか?

これ、学生からのプレイヤーは練習してるんですよ。

トスアップの練習は多くの場合、目標を定めて行います。そのためには正しいトスアップのフォームがあり、挙げ方があるのですが、それはコーチや動画などで聞いてください。ここで重要なのは「トスを練習している」という事実です。

先ほど来、サーブは「相手に関わらず、」自らの意思で攻撃からスタートできる唯一のショット、とお伝えしてきています。
そう、相手に関わらず、つまり不確定要素がない状態で打つことが可能なショットなのです。

にも関わらずトスが安定しないと、せっかくの攻撃のチャンスも不意にしています。そのリスクはダブルフォルトという形で、時に具現化することがあります。

え?上手く上げられなかったら、何度でも上げなおせばよい?

はい、そこが2つ目の重要なポイントです。プロや学生のインカレの試合を見たことがあればわかると思います。彼らはトスの上げ直しはほとんどしません。風の強い日であろうと、太陽が眩しい日であろうと、トスの上げ直しをすることはありません。もちろんトスの練習をしているのでそもそもトスを狙ったところに確実に上げられる、ということもあるでしょうが、それだけではありません。

理由は「リズムが狂う」、これに尽きます。
テニスは人と人とが争い、ポイントを取り合う競技です。当然メンタルもそこに介在します。何度も言いましたが「相手に関わらず」放つことができることは、不確定要素が介在しないことを意味します。トスアップをやり直すことはそれだけ精神に「トスが上手くいかなかった」という深層心理を植え付けます。加えてレシーバーには心の余裕を与えます。
極端な例ですが、自分がいいショットでポイントを取り、マッチポイントを迎えたとします。その時の相手に心境は、概ね「後1点取られたら負ける、どうしよう、チャンスボールは返せない、相手のサーブが良かったら、、、」などと考えを巡らせ不安になっているところでしょう。もちろん強い人は開き直ったり、逆境に打ち勝つ人もいますが、負けを目の前にするとアマチュアプレイヤーの多くは、不安や恐れを抱えます。その精神を、トスアップのやり直し一つで、相手に立ち直りの時間を与えることになるのです。
テニスとは、時間の奪い合いです。ダブルスでツートップ(ペアの両方がネットプレーを行う陣形)が強いのは、相手の時間を奪えるからです。
相手がショットを打つと、すぐにボレーによって相手コートに返球され、相手が追いつかなければエースに、間に合っても準備が整っていなければミスを誘発します。
テニスにおいて時間は奪うものであり、与えるものではないのです。

以上がサーブにおけるトスの重要性です。

これも余談ですが、社会人プレイヤーにありがちなミスの一つに「フットフォルト」があります。
学生時代からの経験者は主審・副審の揃った試合を経験しているため、強くフットフォルトを意識していますが、社会人プレイヤーはセルフジャッジの形式の試合が多く、フットフォルトに意識がありません。セルフジャッジの試合では対戦相手はフットフォルトを宣言することができず、ロービングアンパイアなどに注意してもらうほかありません。スポーツマンシップに則り、フットフォルトにもくれぐれもご注意ください

さて、今回の記事はここまで。まだボールを打つ前の話でしたが、いかがでしたか。次回はようやくサーブを打ちます。




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