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高校教科書はとっておきの教材 【自然災害を学ぶための教科書 1/4】

日本列島は、プレートの沈み込み帯に位置する島弧です。
その為、地震や火山活動活動に伴う自然災害が頻発しています。
急峻な地形に起因する地盤災害も日本各地で起こっています。
地理的な位置から日本列島は年間を通じて降水量が多いとともに、四季による変化も激しくなっています。
台風による災害もほとんど毎年起こっています。
日本に住む限り、自然災害について学ぶことは必須です。

自然災害を学ぶための書籍

自然災害を取り扱った書籍は大量に発行されていて、市民はいったいどこから読み始めたら良いかわかりません。
前置きで述べたような日本の自然災害は大地の性質や周辺の自然状況の影響を大きく受けていることは、大部分の方がすでに承知しています。
この自然災害を理解し防災に対応するためには、自分達の足下の大地の特徴を認識することが第一歩であることは常識とも言えます。

日本列島の大地や気象の特徴を勉強するのに最適の本があります。
それは高等学校地学の教科書です。
高等学校の地学には、『地学基礎(2単位)』と『地学(4単位)』があります。
『地学基礎』には、地形、地質、天文、気象、環境などは簡単に要領よくまとめられています。
入門書としてお薦めです。
現在5種類が出版されています。
また、4単位の『地学』は、かなり程度が高く大学の教養課程の内容が盛り込まれています。
残念ながら、今出版されている教科書は1種類だけです。

高等学校における地学の履修率

高校時代に日本列島の自然についての特徴を学ぶことになっているのだから、自然災害の基礎知識が身についているかというと、そうはうまくいかないのです。

この表は高等学校の理科の科目別の履修率を示したものです。
平成27年度調査の若干古いデータですが、状況は今でも変わっていないと思います。
地学基礎は26.9%、地学にいたっては0.8%しか履修されていません。
大学入試の科目に地学がほとんど無いことが大きな理由です。
となると、自習するしかありませんね。

地学を自習する

高校の教科書をどこで手に入れたら良いか分からない人は、下記を参考にして見て下さい。
一般社団法人前項教科書供給協会
http://www.text-kyoukyuu.or.jp/gaiyou.html#kounyuu

ただ、平成4年の4月からは良い兆しもあります。
高等学校カリキュラムで『地理総合(2単位)』という必修科目ができました。
必修ですから、高校生全員が履修する必要があります。

地理総合の教科書は今年6種類、発行されました。
全ての教科書で、全ページの10%前後で自然災害と防災を扱っています。
私は、地理総合の授業の展開に期待しています。

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