見出し画像

アウシュヴィッツを知る本 4選

今回は、先日にアウシュヴィッツ訪問を前に全貌を知りたいと思って読んだ本を紹介する。
この記事の最後には私が今後読みたいと思っている本のリストを書く。

訪問前に読んだ本

ホロコースト ナチスによるユダヤ人大量殺戮の全貌 芝 健介 著 2014年発売

本著はホロコーストが行われるようになった過程を解説している。ホロコースト=ユダヤ人の大量虐殺のみの知識しか持ち合わせていなかった私が初めて手に取った本である。
ドイツの歴史から収容所の特徴まで網羅されており、広く知るには適切な本だと感じた。

夜と霧 新版 ヴィクトール・E・フランクル著 池田香代子訳 2002年発売

1956年の初版以来読みつがれている言わずと知れた名著。アウシュヴィッツ公認ガイドの中谷さんも推奨されていた。
著者はユダヤ人精神分析科学者。強制収容所での体験を心理学的視点に立って描いている。


アウシュヴィッツのタトゥー係 ヘザー・モリス 著 金原瑞人、笹山裕子訳 2019年発売

主人公はスロヴァキアのユダヤ人・ラリ。
アウシュヴィッツで囚人の名前となる番号を彫るタトゥー係に任命され、自分の立場と知恵を駆使し生き延びる物語。
フィクションとして描かれているが、実際にアウシュヴィッツから生き延びた人にインタビューしており、その人を取り巻く人物たちをまとめて編纂したという。
カポの存在が印象的だった。


アウシュヴィッツを破壊せよ 上&下 自ら収容所に潜入した男 ジャック・フェアウェザー著 矢羽野 薫 2023年発売

https://amzn.to/3ZiK51y

主人公はポーランドの政治犯としてアウシュヴィッツに収容されたヴィトルト・ピレンスキ。なんと彼、信じられないことに潜入調査を行うため意図的にドイツ軍に捕まって収容所に入ったのだ。
その際レジスタンスを作り、ユダヤ人虐殺などの内部の状況を収容所内から世界に訴えようと苦心した。
自ら収容されたなんて正気じゃないと思うが、本書を読むと彼もアウシュヴィッツに入った後にその無謀さに気づいたということが分かる。なぜなら彼が収容されたのはまだアウシュヴィッツが絶滅収容所になる前だからだ。潜入後に段々とと、いかに人を効率的に殺すかを目的とした場所へと変わっていったのかが本書を通してよくわかった。
ちなみに本書の元となった、ヴィトルト自身がが記録した「アウシュヴィッツ潜入記」は英訳版が2012年、日本語版が2020年に発売されている。


まとめ

今回は本のタイトルと共に日本での発売年も記した。アウシュヴィッツに関する本を探した際、最近日本語訳で発売された書物が多いことに驚いたからだ。
思いつく理由は2つ。1つはアウシュヴィッツに関する資料が多過ぎて日本語訳が間に合っていないから。2つ目は島国の日本だが、人手不足などを理由に最近では移民を積極的に受け入れているため、多様性を重んじる空気を作りたいから。
いずれにせよ、ホロコーストを過去に起きたユダヤ人大虐殺と一言で片付けるのでなく、登場人物の人生をなぞる事でよりリアルに感じる事が読書を通して大切だと思う。

今後読みたいもの

アウシュヴィッツ訪問時、中谷さんから教えていただいた下記の本を今後読んでみたいと思っている。

・アンネの日記 アンネ・フランク著

・女の一生(Kindle Unlimitedで読める)遠藤周作著

・アウシュヴィッツの医師たち FKカウル著

・アウシュヴィッツのお針子 ルーシー・アドリントン著

・Piotr Setkiewicz著 Das Privatleben von SS-Leuten im KZ Auschwitz
 こちらはまだ日本語に翻訳されていないためドイツ語です。

正直、怖いもの見たさに取り憑かれているような自分が恐ろしいが、過去から学ぶ事が必要なのだろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?