前世っぽい夢

前世っぽい夢を見た。


デパートで火災が発生。逃げ惑う群衆。
例に漏れず逃げ惑う群衆1、アルバイトの俺(前世の私)。

階段を駆け下りて避難した、そこまでは良かった。
隣にいた彼女(聖子ちゃんカット)が不安げに

「ねえ、お母さんは……?」

と聞いてきた。さっきまでいたはずの彼女の母親がいない。

はっはーん。何故かピンと来た俺。何故だ。

「まだ上の階に取り残されてるのかもしれない!!助けに行ってくるわ!!!」

止めようとしてくる警備員風の男を蹴散らし、逃げ惑う人ごみをかき分け、数階上を目指し駆け上がる俺。

なんか逆走してるの、ヒーローっぽくね!?!?

あほみたいな感想で舞い上がる、あほみたいな俺。
なんとなくだけど、『らんま½』を愛読していて、乱馬とあかねみたいなカップルに憧れているらしかった。毎週買ってる雑誌はモーニング(サンデーじゃないんかい)。
いつもは小憎たらしいけど、いざとなったらかっこいい俺!!を演出するのに必死だった。
どこまでも小物感溢れる奴だな。

階段を上がった先の長い廊下を駆け抜け、重い鉄扉を開けて、ようやく彼女の母親を見つけ───

────られなかった。

既に辺りは一面煙が充満していて、一歩先も見えない。
名前を呼んで探そうにも、喉が痛くて声が出せない。え、これやばくね??

煙の向こうで子どもの泣き声。あー、まだ他に人いたのかあ、こりゃあ無理だ一人じゃ。
そもそも俺、花粉症で鼻詰まってるんだった。
息、出来ねーーーー…………。

そこで意識は途絶えて、夢から覚めた。鼻詰まってた。


なんか妙にリアルだったから、前世かなあとか思ってみたり。
いやいや、科学の進歩著しいこの時代にまさかとは思いつつ。
にしても『鼻詰まって煙吸って亡くなった』って。どうせ夢ならもっとかっこよく往生したかったよ。


早速幼なじみに話したらこの返事だよ全く


来世は優しい老夫婦に飼われた猫にしてくださーーーーーい!!!!!

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