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「星野源」みたいに、なりたいなら

昨日4月30日は、楽天の正式な退社日でした。4年間、お世話になりました。

個人的ハイライトは、2年目にマーケ戦略部署に異動した3ヶ月目。コンサル出身の上司に、ゴリゴリ詰められ、長時間労働と相まって、病みそうになって、休職を本気で考えたこと。

当時は大変な思いでしたが、追い詰められたからこそ、その後、必死に頑張って成長できたし、リクルート転職や武蔵美入学にもつながったと思うので、結果的に良い出来事だったなと思っています。

修羅場経験は、変わるための「Initiation」なのかもしれない。

というわけで、こんにちは!みなつきです。

今日はそんな「人が変わるきっかけ」について、武蔵美のクリエイティブリーダーシップ特論の第3回で感じたことと絡めて、書いていきます。

■「人が変わるきっかけ」を作る仕掛け人

今回のゲストスピーカーは、福井県鯖江市を拠点に、さまざまなプロジェクトを進めながら、「人が変わるきっかけ」を提供されている、RENEW森一貴さん。

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森さんは、今の社会が、人が変わるための可能性を模索する余裕を許容していないということに問題意識を持ち、人が変わることができる選択肢を増やすことで、「人が変わる社会」を作ろうと奮闘されています。

例えば、「ゆるい移住」という、半年間、全国5都市のどこかの場所を家賃無料で貸し出し、その間、何をやってもいいというプロジェクト。

とにかく自分の見知らぬ場所に住んでみて、そこでの生活の中で、自分が変わるためのセレンディピティ出会う機会を提供されています。

また、鯖江市には眼鏡、漆器、焼き物、刃物など、色々な伝統工芸が集積していますが、その職人さんたちは、自分たちがつくった商品を利用する人の顔を見ることができないという課題がありました。

そこで、森さんは「RENEW」という、年に3日間、工房を一般に開放して、職人と一般の人が交流できるイベントを企画されました。イベントを通して、職人さんは、利用者と直接顔を合わせることができ、それ以上に、職人さんたちに「まだ何かやれるかも」「新しい挑戦をしたい」という心境の変化を起こすことができました。

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他にも多様なプロジェクトを行いつつ、ご自身は今秋からスウェーデンの大学院に留学し、人が街を行き交う中でやりたいことが見つかる、そういう機能を街に埋め込めないか?という”Embedded Education"という教育法に関して研究される予定です。

社会を変えようとしながら、自分自身も変わって行こうとされる姿や行動力、私も見習いたいと思いました!

■”死”は変わるチャンスを与えてくれる

私も「人が変わるきっかけ」ってなんだろうと考えたのですが、個人的に、それは「死を意識すること」だと思います。

それは例えば、「事故に遭って3日間生死を彷徨い続けてから生還した」のような自らの強烈な体験もあれば、「友達が亡くなった」のような他者の死に直面する体験もあると思います。

私のような「あ、これは人生積んだかもしれない」と思うような比較的ライトな出来事も、ある意味、”死”に近い体験だと思います。

では、なぜ「死を意識すること」が、人を変えるのか?

それは、”現状維持”ができなくなるからです。

心理学の世界では、「現状維持バイアス(Status Quo Bias)」という現象が確認されています。これは、”人が変化や未知のものを無意識に避けて、現状維持を望んでしまう行動”を指します。

わかりやすく言えば、失敗を避けるために、いつも馴染みのレストランに行き、同じメニューを頼んでしまうというような行動をとってしまう人間の性質になります。

「死を意識すること」は、自分の最後の姿を直視させ、自分は現状維持で”死”に向かっていって良いのか?という自問を発生させ、無意識に避けていた「変わる選択肢」に向き合わせる力があると思っています。

■星野源のユーモアと”死”

私が大好きなアーティストの1人である星野源は、「死を意識すること」で、成功されたのではと思っています。

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今では想像もつきませんが、星野源は、少年時代にいじめにあったことがきっかけで、パニック障害を発症し、高校に入ってからも、後遺症に苦しみ、不登校になった過去をもっています。

ひどく追いつめられた高校時代、星野はクレイジーキャッツの『だまって俺についてこい』という一曲に出会う。“そのうちなんとかなるだろう”という歌詞に救われたという星野は「当時の自分は完全に絶望していて、俺はこれから完全に狂ってしまうんだと思ってたときに、『そのうちなんとかなるだろう』ってあの声で歌われたときに、これを信じるしかないというか。(中略)自分にとっては、物凄い命綱みたいなもんだった」

こうして、高校に復帰した星野源は、SAKEROCKを結成し、劇団山田一郎に入団後、「ばかのうた」でソロデビューや「ゲゲゲの女房」への出演により、一気にスターへの階段を駆け上がるかに思われた矢先。31歳になった2012年に、くも膜下出血を発症。闘病生活を強いられることになります。

その後無事に復帰し、「逃げるは恥だが役に立つ」で国民的スターになってからの活躍は周知の通りです。私が星野源のファンになったのは、やはりこの頃の「逃げ恥」や主題歌「恋」の影響が大きいですが、明るくユーモラスな現在の星野源からは想像がつかないような、苦しい出来事を乗り越えた過去があると知った時は、すごく驚いたことを覚えています。

それでも、明るいながらも、どこかひょうひょうとしている星野源の原点は、まさに、こうした「死を意識する」出来事を通して、自分のどん底を見て、そこから立ち直るときに生まれて行ったのではと思います。

くも膜下出血の闘病中に、映画のために書いていた歌「地獄でなぜ悪い」には、こんな歌詞があります。

ただ地獄を進む者が 悲しい記憶に勝つ

”死”という、日常では意識しないことに本気で向き合った人からは、不思議な力強さを感じますよね。

■次の10年に向けて

人が変わることは、簡単なことではありません。でも、できれば出会いたくない辛い出来事や絶望が、「変わるチャンス」だったとしたら、人生もう怖いものなしですよね!

私も今までそんな出来事を通して、自分を変えて来れたと感じています。高校時代は心理的にすごく辛く、めちゃめちゃになった時期がありましたし、大学受験も結局2回失敗しました。大学でも、4年間片思いの人にふられ、色んな人からも見捨てられ、最後には留年もしました。

そんな私も来月、30歳になり、次の10年間がやってきます。

きっと辛い出来事にもたくさん出会うでしょう。それでも、それに向き合って生きていこう。そう決意した、皐月の初日でした。

最後に、「進撃の巨人」で一番好きな、ミカサの覚醒するシーンで終わりたいと思います。

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戦うんだよ!!
勝てなきゃ...死ぬ...勝てば....生きる...
戦わなければ勝てない。

辛い時は、このシーンをよく見返していました。

世の中、戦わないと、勝てないのです。進撃の巨人、示唆深い。

ほなまた。

みなつき

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